スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バッテリーが爆発する前に教えてくれる装置の開発

世の中のエコの流れからハイブリッドカーや電気自動車が開発されてきました。これらの車の電力の源になっているのがリチウムイオンバッテリー。従来のバッテリーと比べて小型で軽量でありながら大容量というのが特徴です。今では車だけでなく、スマホやPCのような小型の機器、飛行機のような大型の乗り物にまで使われています。ところが一つ問題があって、たまに爆発してしまうことがあります。某国産の安物のスマホ用バッテリーが発火したとかだけでなく、昨年は飛行機のボーイングに搭載されているバッテリーが燃え出したなんて事件もあります。今回はバッテリーが爆発する前に教えてくれる装置を作ったという話です。

まず、リチウムイオン電池の仕組みから話しましょう。基本的には陰極が酸化リチウムで陽極がグラファイトでできています。陽極と陰極の間には多孔質のポリマーの膜があり、イオンはこの間を行き来できるようになっています。これにより電気が流れるようになっています。問題となるのは、過充電してしまうと、陽極側にデンドライトとよばれる、小さなリチウムのとげのようなものが生えてしまい、ポリマーの膜を突き抜けて陰極へと行ってしまうことがあります。すると、デンドライトを介した短絡回路が出来上がり、熱を発生させ、最悪炎上につながります。デンドライトができないように工夫しているのですが、やはりできなくするのは難しいというのが現状です。そこで、筆者らは、ポリマーの膜を厚さ50nmの銅の膜で両側からはさみ、電圧を測定するというものです。もしデンドライトができ、セパレーターの膜までやってくると陽極と銅の膜の間の電圧がゼロに下がり、寿命であることを知らせてくれるというもの。

本当は炎上しないバッテリーが一番だけど、今のところ仕方ないといった感じ。現在、リチウムイオン電池のような大容量バッテリーの需要は増えていますし、安全に使用できるというのは非常に重要な点ではないかと思います。原理的にはシンプルだし、アイディア勝ちですね。

元の論文
Improving battery safety by early detection of internal shorting with a bifunctional separator
スポンサーサイト

テーマ:テクノロジー・科学ニュース - ジャンル:ニュース

自己治癒能力を持ったプラスチック

情報元
New Chemical Blend Helps Plastic Heal Itself

人はちょっとした怪我をしても、血液が必要な物質を持ってきてくれて、自己治癒能力で勝手に治っていきます。しかし、プラスチックだろうとなんだろうと無生物は傷が勝手に埋まることはありません。最近そんな常識を打ち破ろうとしている人たちがいて、穴が空いても勝手に治るプラスチックの開発が進んでいます。今回は1cmくらいの穴なら埋められるプラスチックが完成しました。

方法としては、血管を模した2本の細いキャピラリーを、混ざると固体と半固体構造を形成する有機物で満たし、それをプラスチックの中に埋め込むというものです。これにより、穴が空いた場合、この2つの有機物が混ざり、ゲル化して穴を埋めます。その後時間と共にポリマー化し、硬くなります。ここで重要なのはすぐにゲル化とポリマー化の2ステップがあるというところ。すぐにポリマーになってしまえば大きな穴は直せないし、ゲル化しかしなかったら十分な強度が得られません。キャピラリーの中に入れておく有機物を変えれば、硬化時間等をコントロールして色々な大きさの穴を埋められるというわけです。

将来的には飛行機の翼などに使えば、飛行中に翼に傷が入っても勝手に治っていくので、安全性が増すだろうと言っています。これまでのロボットアニメや映画では、体に傷が付いても自己治癒能力のような力で直すという描写をしているのは非常にまれです。もしかしたら今後ロボットも自己治癒能力を装備し始めるかもしれません。万が一映画ターミネーターのように、ロボットが反逆する世界がきたら、自己治癒能力を持ったロボットを相手にするのは厄介ですが。

元の論文
Restoration of Large Damage Volumes in Polymers

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

No.9 ルテニウムで二酸化炭素の有効利用

今回の論文
Ruthenium-catalysed alkoxycarbonylation of alkenes with carbon dioxide
Lipeng Wu, Qiang Liu, Ivana Fleischer, Ralf Jackstell & Matthias Beller
Nature Communications 5, Article number: 3091

簡単に言うと、
ルテニウムを使って二酸化炭素を化学製品の作製に使えるようにしましたという内容。

背景として、
今回はエステルの合成に注目。エステルはR-COO-R’という結合のことで洗剤など様々なところに使われている。一般に、エステルの合成には一酸化炭素(CO)が使われていたのだが、これは人体にとって有害な物質であり、引火性もあって危険である。実際、バイエルというドイツの会社が一酸化炭素のパイプラインを作ろうとしたところ、地域住民の反対にあい、作るのを断念したという例もある。なので、代わりに二酸化炭素を使えないかと考えた。今回ルテニウム(ドデカカルボニル三ルテニウム)という入手しやすい元素があり、これで触媒させると、二酸化炭素を一酸化炭素の変わりに使え、しかも性能も良かった。なので今後エステル製品が安く安全に作れるようになるというニュース。

具体的には、
様々なアルケンのカルボニル化反応を高温、高圧下でルテニウムを触媒とし、CO2とアルコール溶媒を混ぜた状態で行ったところ、還元剤なしでも高い収率が得られた。様々な条件で試してみたが、収率が53-91%と非常に高く、様々なアルケンに適用できた。
コントロール実験としてアルケンなしで同様の実験を行った。すると、CO2とメタノールからCO、水素、メチルフォルメ-トが合成されていた。つまり、その場でCO2からCOを作り出すことでエステル化が出来たということが明らかになった。念のためアイソトープを用いた実験でカルボニル基の炭素がCO2由来であることも確認している。


個人的には、
安定な構造をしている二酸化炭素が簡単に利用できるようになったのがポイント。化学は詳しくないけど、C1ソースとして二酸化炭素の利用が進むならデメリットも少ない、良い話じゃないかと思う。特にCO2の排出に対してうるさい人達もたくさんいるだろうし。

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。