スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

No.2 遺伝子改変iPS細胞の単離方法

今回の論文
Isolation of single-base genome-edited human iPS cells without antibiotic selection
Yuichiro Miyaoka, Amanda H Chan1, Luke M Judge, Jennie Yoo, Miller Huang, Trieu D Nguyen, Paweena P Lizarraga, Po-Lin So & Bruce R Conklin
Nature Methods (2014)


簡単に言うと、
デジタルPCRという技術を使って、抗体や抗生物質を使わずに、遺伝子改変したiPS細胞を選別することが出来る技術を開発しましたという内容。

背景として、
近年iPS細胞やSTAP細胞による再生医療に対する期待が急速に高まっている。このiPS細胞やSTAP細胞を用いた再生医療の場合。単純に、健康な組織を作って、病気になった組織ととりかえるという応用以外にも、遺伝病の治療に大きく役立つ可能性がある。遺伝病の場合、患者の細胞からiPS細胞やSTAP細胞を作っても、そもそも遺伝子(DNAの配列)に問題があるので治療にはならない。しかし、最近ゲノム編集と呼ばれる技術が発達している。細胞を殺すことなく、DNAの配列を細胞内で改変する技術で、これまで使われていたノックアウトマウスのように、交配させなくても遺伝子の改変ができるというものである。この技術をiPS細胞やSTAP細胞に適用すれば、問題となっているところを正しく直して、遺伝的に問題のない組織が作れると期待されている。ただ問題点として、思い通りにゲノムが改変される細胞の割合は1%未満でしかない。したがって、改変されていない細胞の中から、改変された細胞だけを集めてこなければならない。これまでは抗体や抗生物質を使わなければならず、抗生物質耐性遺伝子の導入など余計なものまで入れなければならなかった。この論文では今回開発した方法なら、そういった余計なリスクなしにゲノム改変細胞を回収できるという。遺伝子改変iPS細胞による再生医療がまた一歩現実味を帯びてきました。

具体的には、
デジタルPCRを使ってます。PCRとはプライマーと呼ばれる一本鎖DNAと鋳型となるDNAとDNA複製酵素を使ってDNAを増幅する技術で1970年代からあった技術です。デジタルPCRは、元となるDNAがどれだけあるかを正確に測定する技術で、サンプルを細かい水滴に分けてPCRすることで、サンプルが含まれているかどうかを各水滴に対して調べていくというもの。最近登場したばかりの手法です。細胞株の単離はまず、遺伝子改変した細胞を96ウエルプレートに播きます。その後各ウエルの一部をとってデジタルPCRによって改変された細胞が最も多かったウエル細胞を再度96ウエルプレートに播いて、デジタルPCRをやってというのを繰り返していくことで、最終的に改変された細胞を手に入れられるという内容。

個人的には、
前から名前だけは知っていたデジタルPCR。今回調べてみて最近の技術の発展の早さには驚かされました。メーカーの写真を見る限り、リアルタイムPCR装置よりコンパクトだし、絶対定量が簡単というのは良い。ランニングコスト次第ではリアルタイムよりも良いかも。インフルエンザの型とかSNPs検出をPCRベースで診断する技術が世の中にはあるけれど、デジタルPCRと組み合わせたらもっと良くなったりするのかな?そのうち遺伝子改変技術についても取り上げます。
スポンサーサイト

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。