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男の匂いが痛み止めになっている

情報元
Male Scent May Compromise Biomedical Research

今回、想像もしない報告がされました。マウスなどの様々な実験動物において男の人の匂いを嗅ぐと、痛みを与えても、動物たちは痛みを感じにくくなるという話です。

情報元によると著者たちは昔から痛みに関する研究をしていて、ヒトがいる時といない時ではマウスの反応が違うようだと感じていたそうです。そこで、ザイモサンAという、好中球などのターゲットとなり、炎症を引き起こす物質をマウスの足に投与しました。その後、顔の表情から痛みを調べました。(この評価方法はあまり一般的ではなく、このグループが作った評価方法です。)その結果、男の人が近くにいるときは人がいない、あるいは女がいる時よりも平均して36%ほどスコアが低かったそうです。ちなみにオスのマウスもメスのマウスも男の人の匂いで痛みを感じなくなっていましたが、メスのマウスのほうがやや匂い効果が高かったそうです。
さらにこの原因が男の人の姿のせいなのか、匂いによるものかを調べるために、男の人あるいは女の人が着ていたTシャツをマウスの近くにおいてみたそうです。すると、同様に男の人のTシャツでスコアが低くなり、匂いによって痛みを感じなくなったていたそうです。(ただし、ホルマリンテストでは姿もあったほうが効果的だったみたい)
どの化学物質が原因なのか調べるため、女の人よりも男の人で脇から放出される量が多い揮発の酸、およびステロイド系の物質(3-methyl-2-hexanoic acid, androstenone, androstadienoneの3種類)の匂いをかがせたところ、痛みを止める効果が見られた。これらの物質は他の哺乳類のオスでも見られることから、他の生物のオスの匂いをかがせても、やはり痛みのスコアが低くなっていたそうです。
次に、痛みを本当に感じなくなったのか、それとも痛いけどそれを表情に出していないだけなのかを調べました。可能としてはストレスにより、痛みの感覚がなくなることがしられている。そこで、ストレスマーカーであるコルチコステロンの濃度を調べると、男の匂いを嗅いだ時に高くなっており、ストレスにより無痛に状態になっているとのこと。そのほかのマーカーもこの仮説を支持していた。

というわけで、男の人の匂いで痛みの感じ方がやわらぐという話でした。痛みを与える実験を男の人がやった場合と女の人がやった場合も差があったそうで、本当ならこれまでの動物実験のすべてを否定しかねない結果でした。個人的には信じられない部分もちょっとあるのですが、皆さんはどうですか?

元の論文
Olfactory exposure to males, including men, causes stress and related analgesia in rodents
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ダウン症のトランスクリプトームとエピゲノム

ダウン症トランスクリプトームエピゲノムに関する報告がありました。今回はこの2つを紹介します。

ダウン症比較的よく起きる遺伝的な病気であり、どのような症状になるかは皆さんもご存じだと思います。原因は染色体が一つ多くなることで、21番染色体が多いケースが頻繁に見られます。しかし、考えてみると、遺伝子がなくなる場合に病気になるのはわかるのですが、増えはしているけれど遺伝子が足りないわけではないのになぜ病気となるのでしょうか。仮説の一つとして遺伝子量効果のためではないかといわれています。これは通常、父親由来の染色体と母親由来の染色体がどちらの遺伝子をどのくらい使うかというのを調節しているという考えで、トリソミーではこのバランスが崩れ、遺伝子の発現プロファイルが大きく変化してしまうのだろうというものです。その考えに基づいてこれまでもダウン症患者と健康な人の遺伝子発現の変化は調べられてきました。しかし、遺伝子発現はDNA配列等の違いによる個人差があり、正しく評価できませんでした。

そこで今回、一卵性双生児なのに片方が正常、もう片方がダウン症という稀有な人たちを使って遺伝子発現を比較しました。遺伝子発現の変化は21番染色体以外にもみられ、遺伝子発現が大きく変化した領域を見ると、意外にも、ドメイン構造をとっていました。つまりある領域では遺伝子発現が減少するのに対し、その隣では上昇するという分布が見られたのです。遺伝子の種類でみると、もともと発現レベルが高いものは低く、低いものは高くなる傾向が見られました。
その後、他の細胞でもこのようなドメイン構造が存在するか調べるため、この双子の皮膚細胞からiPS細胞を作製しました。その後iPS細胞の遺伝子発現を調べましたが、同様にドメイン構造を保っていたそうです。さらに他の生物種でも確認するためにマウスのダウン症モデルで調べたところ、同様にドメイン構造があり、シンテニー領域では保存されていました。
他の双子ではない無関係のダウン症の人と正常な人の遺伝子発現を比較してもこのようなドメイン構造は個人差で隠されてしまったそうです。
次に、これまでに報告されているドメインと比較しました。核膜のタンパク質であるラミンとくっつく部分がドメインになっているので、これと比較しました。ラミンとくっつくところは、ダウン症患者で遺伝子発現がたかくなり、くっつかないところは逆に低くなった領域だったそうです。このことから、余計な染色体が入ることで、ラミンとくっつく位置が変化し、このような結果になったのではと考え、ダウン症患者の皮膚の細胞内で、ラミンとくっついているDNAはどこかを調べました。しかし、正常な人とダウン症患者に顕著な違いは見られなかったそうです。
ラミンのような高次の構造による影響が見られなかったので、クロマチンレベルでの違いに注目しました。まずはDNAのメチル化を調べたのですが、遺伝子の発現レベルの違いを説明できるほど大きな変化はありませんでした。次に遺伝子発現を促進するマークであるH3K4me3を調べてみると、今回見つかったドメインと相関がみられました。最後にDNaseI hypersensitive siteを調べたところ、ダウン症患者ではDHSが多くなっていました。(ただし、必ずしもその領域の遺伝子発現が増えているわけではありません)。以上のことから、トリソミーではクロマチンレベルでの変化がおき、それにより遺伝子発現が変化し、その変化度合いによって症状の重篤度が変化するという結論。

長くなってしまったのでもう一つは簡潔に書きます。
ダウン症はB細胞急性リンパ性白血病のリスクが通常の20倍以上になります。しかし、それはなぜでしょうというのが問題です。今回の実験ではマウスを使っていますが、人の21q22にある31個の遺伝子に相当するマウスの遺伝子が、3つ存在することで、B細胞前駆体の自己複製能力が上がってしまい、成熟できなくり白血病につながっている。さらに21q22が3つあることでB細胞前駆体でも白血病B細胞でもH3K27me3が減っており、H3K4me3とH3K27me3が両方存在するbivalent領域での制御ができず、その部分の遺伝子の発現が上昇していたなくなっていた。最後に21q22にあるHMGN1というヌクレオソームリモデリングタンパク質が過剰発現すると、H3K27me3が減少し、急性白血病を促進しているとのこと。

先に紹介した論文ではH3K4me3を見ていたけど、こっちでもH3K27me3が減少しているのかな?bivalentクロマチン領域での制御ができなくなっているというのは興味深い。

元の論文
Domains of genome-wide gene expression dysregulation in Down’s syndrome
Triplication of a 21q22 region contributes to B cell transformation through HMGN1 overexpression and loss of histone H3 Lys27 trimethylation

ひょうたんの中の血はルイ16世の物ではなかった

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(image and copyright by Davide Pettener).

歴史好きの方には少し残念なお知らせです。
2010年にフランス革命のころのものと思われるひょうたんの入れ物が見つかりました。そしてそこにルイ16世(1754–1793)が処刑されたときの血が付いたハンカチが入っていると書かれていたのです。ルイ16世はあの「パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない」で有名なマリー・アントワネットの旦那さんで、フランス最後の王様です。問題のハンカチ自体は見つからなかったのですが、ひょうたんにも血が付いており、その血のDNA鑑定が行われ、歴史好きの人たちの注目を集めていました。結果、残念ながらルイ16世のものではないだろうという結果でした。

これまでにY染色体のSTRマーカーを調べたところ、ヨーロッパ系の人にみられる特徴が確認できました。さらにルイ16世から7世代まえのヘンリー(アンリ)4世(1553–1610)のミイラのSTRマーカーを調べたところ、一つのアレルを除いて一致しており、ルイ16世のものである可能性が示唆されていました。しかし、他のブルボン家の末裔たちのハプロタイプとは一致しておらず、はたしてこの血は本当にルイ16世のものなのかと議論されていました。

今回はゲノムDNA全体をシーケンスしてみたのです。サンプルの状態が悪く、他の生物のDNAが混ざったりしていたようですが、どうにか配列を読み取ることができました(全部の領域をカバーすることはできませんでしたが)。考古学的な文献によると、ルイ16世の祖先はヨーロッパのいろいろな地域の人のが混ざり合っているそうです。そこでまずはDNAのSNPsからひょうたんの血の人の出身地を割り出しました。すると北イタリア地方の人に近かったのですが、考古学的な文献では、ルイ16世の祖先はこの地方には見つかりません。さらに、DNAの特徴から予想される見た目とルイ16世の見た目の特徴を比較しました。ルイ16世は非常に背が高く、青い目をしていた言われています。しかし、DNAから予想される見た目は身長はそれほど高くなく、茶色い目をしているというものでした。したがって、これらの結果から、ひょうたんの中の血の人物はルイ16世ではないと結論付けられました。

歴史好きの人からすれば残念な結果でした。でもこういった研究はロマンがありますね。アインシュタインの脳とかもしっかりと残ってるし、シーケンスしてみたいものです。個人的には天皇陛下のゲノムシーケンスは面白いと思う。なにせ世界で最も家系がはっきりしている一族ですから(今上天皇が125代目らしい。すごい。)。ただそんなことをしようものなら右翼団体が黙ってないでしょう。ちなみに今上天皇明仁さまは、ハゼの分類学を専門とする科学者でもあり、秋篠宮文仁親王は鳥類やナマズの研究者でもあります。

元の論文
Genomic analysis of the blood attributed to Louis XVI (1754–1793), king of France

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チェルノブイリの生態系に異変?環境に適応できている鳥が増殖中らしい。

情報元
ScienceShot: Some Birds Thrive in Chernobyl's Radioactive Glow
sn-chernobyl.jpg
(Alex Kühni/Flickr/Creative Commons; (inset) T.A. Mousseau and A.P. Møller (2011))
歴史上最悪の原子力発電所事故で知られ、28年前に原発がメルトダウンしたチェルノブイリ。多量の放射線が降り注ぎ、人が住めるような環境ではなくなってしまいました。ただ、幸か不幸か、放射線が生態系に与える影響を調べるには最適な環境であるともいえます。

そこで今回、チェルノブイリにおける生態系、特にシメ(すずめの一種。写真の鳥)など16種の鳥に注目して調べました。驚くべきことに、一部の鳥にとっては放射線が体に有利に働いているということが分かりました。通常、放射線に被曝すると、フリーラジカルが作られ、遺伝情報が失われ、最悪、死に至ります。フリーラジカルの効果を中和してくれるのが、抗酸化物質というものです。しかし、シメなどの鳥の抗酸化物質レベル、DNAのダメージ、健康状態を調べると、抗酸化物質レベルが高く、健康状態もかえって良かったのです。つまり、慢性的に低レベルの放射線を浴びることで、酸化ストレスに非常に強くなっていたのです。ただ、2種類の鳥だけは、抗酸化物質が失われ、羽に通常はないピンク色のメラニン色素がみられたそうです。

すでに一部の鳥は放射線に被曝する環境でも生きられるように適応しているようですね。日本も福島第一原発のことがあるので他人事ではありません。チェルノブイリの生態系の変化は、日本にとっても参考になるので今後も注目する必要がありそうです。

元の論文
Chronic exposure to low-dose radiation at Chernobyl favors adaptation to oxidative stress in birds

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ニジマスとツェツェバエのゲノムが明らかに

今週、ニジマスのゲノムとツェツェバエのゲノムが明らかとなりました。ニジマスはゲノムの進化を考えるうえで、ツェツェバエは医学的に重要なデータとなりそうです。

ニジマスのゲノム
釣って楽しい、食べておいしいニジマスですが、生物学的には非常にユニークな側面を持っています。ニジマスは約1億年前に染色体の数が突然2倍になったことで誕生したといわれています。1億年という時間は長いようですが、進化の観点からは比較的最近のことです。そのため、ニジマスのゲノムDNAの配列を調べれば、染色体が倍化が起きた後、最初にゲノムにどのような変化がおきたかを追えるわけです。ちなみにゲノムの倍化は動物ではほとんどみられませんが、脊椎動物では割とある話なのですが、ゲノムがわかっている倍化した生物はいずれも大昔に倍化した物ばかりでした。

こんな背景があって、今回ニジマスのゲノムを調べました。ゲノムが倍化したため、その直後は各遺伝子とも2つあったわけですが、タンパク質コード遺伝子のほどんどは偽遺伝子化して、すでに失われているそうです。しかし、miRNAは未だ2コピーずつ残っていて、また、胚の発生とシナプスの発生と機能に関わる遺伝子が選択的に保持されていたそうです。そんなわけで遺伝子の進化は結構ゆっくりした物であるようだとのことです。

ツェツェバエのゲノム
ツェツェバエはトリパノソーマという原虫を媒介しており、トリパノソーマに感染すると眠り病という、睡眠のサイクルが乱れ、意識が朦朧とし、最終的には昏睡、死に至る病気になります。おもにアフリカでこの病気は見られます。トリパノソーマは人の免疫機構を回避する特殊なシステムがあり、ワクチンによる予防ができず、ツェツェバエに刺されないことが最も良い予防方法であり、その意味でツェツェバエのことをよく知る必要があります。ツェツェバエは他の病気を媒介する生物と違い、微生物と共生関係にある、胎生生殖である、授乳をするなどの性質があります。

シーケンスの結果、ショウジョウバエに似た部分は多くあるものの、ゲノムサイズが約2倍ありイントロンや遺伝子間の領域が長いことからレトロトランスポゾンによる進化があったのだろうとのこと。ちなみに遺伝子数はショウジョウバエよりもちょっと少ないぐらい。特徴的なこととして、バルボキアという微生物のゲノムが組み込まれていること、授乳に関するタンパク質群があること、化学物質センター(嗅覚)に関する遺伝子が少ないことなどがあげられる。もっと細かく、多くのことが書かれているので興味のある人は元の論文を見ていただきたい。

眠り病予防にするには単純にツェツェバエの個体数を減らすという方法が考えられます。授乳に関連するタンパク質群がみつかったので、ここをコントロールするというのが一つの手立てでしょうか。生態系への影響が多少心配ではありますが。

元の論文
The rainbow trout genome provides novel insights into evolution after whole-genome duplication in vertebrates
Genome sequence of the tsetse fly (Glossina morsitans): vector of African trypanosomiasis

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ゲームは良い作用も悪い作用もある。

今回は最近の報告から2つ紹介します。どちらもテレビゲームに関わる話ですが、ゲーマーにとって良い側面とそうでない側面があることを示しています。

良い側面として、ゲームを長時間する人ほどは左背外側前頭前野と左前頭眼野が大きいそうです。左背外側前頭前野は戦略をたて実行するときに活発になり、左前頭眼野はどこにめを向けるかといった目の随意運動に関わるところです。どちらもゲームをすることでこれらの領域が活発化し、肥大化したのだろうと著者は言っています。

悪い側面として、ゲームに限らずスマホやテレビでも当てはまるのですが、男の子の場合、長時間スクリーンの前に座っている子は骨密度が低くなるそうです。ただ、女の子は必ずしも骨密度とテレビやゲームに費やす時間に直線的な関係はなかったそうです。

昔から「ゲームばっかりしてないで勉強しなさい」と世の中のお母さんたちは言いますが、悪いことばかりではないということです。でもほどほどにしてください。外に出なきゃ学べないこともたくさんありますので。

情報元
Positive Association of Video Game Playing with Left Frontal Cortical Thickness in Adolescents
Is Too Much Screen Time Bad for Your Bones?

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人に優しくするとうつにならないらしい

情報元
Selfless Deeds Guard Against Depression

皆さんはどんなときに喜びを感じますか?親切をして感謝されたときやお金をもらったときなど様々な状況で喜びを感じることがあるでしょう。こういった喜びには2パターンあって、親切をした時のように、他人のための喜びを感じる喜びと、お金をもらったときのように自分のための喜びがあります(難しく言うとeudaimoniaとhedonia)。利他的な喜び、利己的な喜びと読んでも良いかもしれません。人間、利他的に生きたいと思っていても、利己的になってしまうものです。

では、このような喜びは脳にどの様な影響を与えるのでしょうか。脳には線条体といううつとの関わりが深い場所なのがあります。今回、分かったこととしては利他的な喜びを得ると、線条体の活性の仕方が抑うつ的な症状は出にくく、逆に利己的な喜びを得るとは出やすくなったそうです。

確かに利己的な喜びばっかり感じていると、社会的に悪者になった気分になって自己嫌悪に陥りそう。

元の論文
Neural sensitivity to eudaimonic and hedonic rewards differentially predict adolescent depressive symptoms over time

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テルマエ・ロマエが古代ローマ帝国失墜の原因だったことが判明

情報元
ScienceShot: Did Lead Poisoning Bring Down Ancient Rome?

2年前に映画化されたことでも話題になったテルマエ・ロマエ(ローマの浴場という意味らしい)。この本がヒットしたことからも、古代ローマ人がお風呂好きであることをご存知の方も多いと思います。古代ローマ人はお風呂や飲み水に使うために、水道を作っていました。考古学者によると、その水道のパイプや蛇口は鉛でできていたらしいです。

今回、鉛の水道でひっぱてきた水にどの程度鉛が混ざるかアイソトープを用いて調べてみたそうです。すると、水源に比べて100倍以上の鉛が見つかってきたそうです(具体的な量は今は元の論文にアクセスできないので、あとで追記します)。この量は、生涯飲むことを考えると十分に危険な量になるらしく、このせいで古代ローマ人は鉛中毒になり、後々古代ローマ帝国の崩壊へとつながっていった可能性があるそうです。

ヨーロッパ史は詳しくないけど、この時代に水道技術を持っていたのはローマ帝国ぐらいだろう。高すぎる科学技術ゆえに滅亡へとつながった例かもしれない。科学技術を慎重に扱うことの大切さを教えてくれているのかも。

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(古代ローマ人に現代的な服を着せたところ)

元の論文
Lead in ancient Rome’s city waters

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分子のお見合いで受精のなぞを解明!不妊治療の重要な糸口に。

情報元
Scientists find protein that unites sperm and egg

以前も少し書きましたが受精し、生命が誕生するというのは奇跡的で、神秘的な現象です。しかし、神秘的過ぎて不明な部分も非常に多いです。例えば、卵子と精子どうやってくっつくのでしょうか。精子にはizumo1というタンパク質(阪大の方が発見し、縁結びの神様で有名な出雲大社に因んで命名されています)が精子の表面に存在し、それが結合に重要であること分かっていました。しかし、卵子のどのタンパク質と結合するかは分かっていませんでした。

今回、その卵子側の相手が見つかりました。このタンパク質の名前はJuno(ユーノー)と名づけられました。由来はローマ神話に出てくる、結婚を守護する女神だそうです(詳しくはwikipediaでどうぞ)。方法としてはizumo1の分子をいくつも並べてそれと結合するタンパク質を探して言ったそうです。いわばizumo1にお見合いをさせたところ、Junoという赤い糸で結ばれたパートナーを見つけたわけです。このJunoが無くなると受精できなくなることも確認されました。また、Junoがizumo1と結合すると、他のJunoが急速に消え、一つの卵子に一つの精子しか結合できない理由となっているそうです。

今回の発見は、生物学的にも、医学的にも非常に重要です。不妊に悩んでいる方の中、もしかしたらJunoが原因の可能性があります。その場合、体外受精でも精子を一つだけ卵子の中に送り込む、intracytoplasmic sperm injectionという方法を試したほうが良いでしょう。


元の論文
Juno is the egg Izumo receptor and is essential for mammalian fertilization

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NASA、月に探査機をぶつける

情報元
Moon dust probe crashes

日本時間で18日の16時ごろ、探査機LADEEが予定通りに衝突し、大破しました。

LADEEはLunar Atmosphere and Dust Environment Explorerの頭文字から取られた名前で、の大気の構造や組成を調べ、の空へチリを飛ばしているかを調べることを目的として、NASAが昨年9に打ち上げた探査機です。もともと徐々に上空から軌道を下に近づけていっての表面からの距離とそこでの大気の組成を調べていました。つまり、はじめから最後は月にぶつける予定でした。そしていよいよ表面にぶつかる時が来て、先日それが確認されたそうです。ちなみにぶつける場所は宇宙船アポロが月に着陸した場所など、歴史的な場所を避けているそうです。

宇宙船アポロに乗っていた宇宙飛行士たちは、日の出前に月の地平線上に謎の光を目撃したそうです。巷ではUFOだという噂になっていますが、LADEEはこの光の謎を解くことも目的としていました。残念ながら原因は不明のままだそうです。もう一つ、LADEEは地球と宇宙空間でのレーザーによるブロードバンドコミュニケーションのテストも行っており、こちらは成功したそうです。

LADEEの衝突の数日前、赤い月が見られるということで空を見上げた方もたくさんいるのではないでしょうか。その数日後、知らないところで活躍していた小さな探査機がひっそりと最後を終えたというお話です。さようなら、LADEE。
あっ、今回論文じゃなかった。まあいずれ論文という形で詳細な結果が報告されるでしょう。

LADEEの写真はこちらのNASAのサイトで見れます。

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