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コーディングパターンのちがう生物がいることが判明

情報元
Microbes defy rules of DNA code

生き物はどんなものであってもDNAからRNAを介してタンパク質を作ります。RNAからたんぱく質を作る際に、3つの塩基で一つのアミノ酸をコードしており、このコードパターンをコドンといいます。実はこのコードパターンは全生物共通で、ヒトでもマウスでも大腸菌でも同じです。なので例えばAUGというRNAの配列が出てくれば、どんな生物の細胞内であってもメチオニンが作られます。この全生物共通のルールと思われていたコドンが少し違う生物がいることが確認されました。

実はこれまでごく少数ですが、すでにコドンのパターンが異なる生物が確認されていました。その生物はいずれも培養可能なものですが、原核生物の99%は培養できないといわれています。そこで今回はデータベースを用いて1776の地域と17か所の人の体にいる生物のコドンの特に終止コドンを調べました。方法を簡単に言うと、1kb以上の長さの遺伝子をコードする部分がを集めてきて、出来上がるタンパク質の大きさを計算しました。通常なら数百アミノ酸をコードしているはずですが、仮に極端に短いフラグメントになるかならないという計算になれば、それは終止コドンがアミノ酸をコードしているものに変化しているだろうというものです。今回調べられた生物の中では約10%に変化が起きており、そのうち半分は人にくっついている生物でした(人由来のものは全体の10%だけです)。終止コドンには3種類あり、オーカー(UAA) 、オパール(UGA) 、アンバー(UAG)と名前が付けられています。どの終止コドンに変化が起きているかを生物種と共に比較すると、バクテリアではいずれもオパールに変化が、真核生物ではオーカーに変化が、ウイルスではアンバーもしくはオパールに変化が起きていました。ちなみに淡水生物のほうが海水生物よりも変化が起きやすくなっていました。さらに詳細に見ていくと進化とのかかわりが深いことが確認できました。今回調べた中にはファージなどのウイルスが含まれています。ファージとバクテリアのコードパターンが違えば、ホストの細胞内ではファージの増殖に必要なタンパク質を作れなくなってしまいます。どうやってこの問題を回避しているか調べるために、アンバーのコードに変化が起きているファージを詳細に調べました。このファージはアンバーが多く出てくる領域と少ししか出ない領域があり、少ないところにRF2という遺伝子が見つかりました。RF2はオパールのコードに変化が起きているバクテリアに見られる遺伝子で、あることからRF2の発現によってオパールに変化が起きたような状態にスイッチするのではないかと提唱しています。著者の提唱するモデルとしては、ファージが感染後、RF2を含め感染の初期に必要なタンパク質がアンバーが終始コドンでない状態で作られ、その後RF2の働きによってオパールが終始コドンではない状態となり、溶菌などに必要なタンパク質が作られるというものです。

今回かなりの生物で終止コドンに変化が起きていることがわかりました。今回のモデルはウイルスの視点から提唱していますが、バクテリアが身を守るために進化したという可能性もあります。いつごろそしてどのようにコードパターンを変化させたのか興味深いです。合成生物学にとっても重要な発見となるでしょう。

元の論文
Stop codon reassignments in the wild

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