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ガンの転移を支えている酵素

現在日本で一番多い死因はガンなんだそうです。早期であれば治る場合もあるものの、ガンが転移しだすとなかなか難しいそうです。ではこの転移というのはどのようにして起こるのでしょうか。今回、ガンの転移を支えている酵素が特定されました。

今回見つかった酵素の名前はMemo。Memoをノックダウンすると、wound closure assay(特定の領域だけ細胞がいない状況になるように培養し、一定時間後にどのくらい細胞がいなかった部分に細胞が移動したかを計測する実験)やinvasion assay(培養皿を二層にし、上層と仮想の間にマトリゲルと薄く、小さい穴の開いた膜を置いておき、上層にいた細胞がどのくらい下層へ通り抜けていくかを調べる実験)で細胞の運動性がなくなることが判明。次に今回使った細胞をマウスの体内に注入して、in vivoでも運動性に変化があるかを調べた。ノックダウンの有無にかかわらず増殖はするものの、細胞の運動性はノックダウンにより落ちていた。さらにノックダウンしている細胞でMemoを発現させ(ノックダウンのターゲットにならない。多分イントロンやUTRをノックダウンのターゲットだと思う)、in vivoで運動性を調べると運動性が戻っており、Memoが運動性、転移に重要であることが確かめられた。さらにMemoの生化学的な性質を調べていくと、銅イオンと結合し、酸化反応を引き起こしていることが判明。Memoが銅を必要とすることから、銅をキレートする物質をin vitroで加えた。すると、細胞の運動性は減少していた。さらにMemoのノックダウンで細胞内の酸化還元状態に変化が起きていて、MemoはNOX1による活性酸素O2-の生産に必要であった。実際に患者の乳がんの細胞を調べてみると、転移しやすい乳がんほどMemoが多いという結果になりました。

ちょっと長くややこしいですが、Memoが転移に使われているという話でした。Memoは転移するガンのマーカーとして使えるでしょうし、Memoを阻害して転移を防げるようになると、患者にとっては再発のリスクや転移の心配が減り、負担は減るのではないでしょうか。最近、ガン幹細胞がいるとかいないとかっていう話ですが、ガン幹細胞(存在するとして)でもMemoは発現しているのでしょうか?

元の論文
Memo Is a Copper-Dependent Redox Protein with an Essential Role in Migration and Metastasis

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

月はどうやってできた?

地球の周りをまわり、夜に輝く月。先日もきれいな赤みがかった月が見えましたね。ところで、月はどのようにして作られたのでしょうか。以前からこれは諸説ありますが、定説となっているのが45億年前に火星ぐらいの小さな惑星(Theia と名付けられています)が地球にぶつかり、その破片が月になったというものです。これまでは予想に過ぎなかったのですが、今回この予想を支持する結果が得られました。

手法としては.月からが持ち帰った石(玄武岩など)の酸素の同位体O17の量を調べました。これまでの研究では月から地球に落ちてきた石のO17の量を調べていたのですが、地球の石との差が見られていませんでした。今回のサンプルでは地球の石のO17と比較して12 parts per millionの差がありました。太陽系の惑星ごとにO17のレベルは違うことから、月は何か惑星が衝突した際の破片だろうと考えられるとのことです。
月はどうやってできたかの研究でした。惑星が衝突してできたとして、その後どうやって丸くなったのでしょうか。やはり重力のせい?そしてうまいこと惑星軌道に乗れなかった地球や月(Theia )の破片は今も宇宙のどこかを漂っているのか、それとも他の星の重力に引っ張られて衝突したのでしょうか。月は見てるだけでなく、考えることでも楽しめますね。

元の論文
Identification of the giant impactor Theia in lunar rocks

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

HIVを眠りから起こす薬の開発

私たちの世界には揺らぎやノイズにあふれています。無視してよい場合もありますが、時としてゆらぎやノイズに由来するほんの小さな違いが、後々大きな変化をもたらすことがあります。生物にとってもそれは同じで、細胞の運命決定は確率的なプロセスによって決まり、細胞間に違いを生みます。AIDSの原因ウイルスとして知られるHIVウイルスにとってもゆらぎ、ノイズは重要で、潜伏状態のままでいるか、それとも複製を開始するかというのも確率的に決まります。潜伏期間を決定する重要な要素がLTRという遺伝子で、この遺伝子が一定以上になると潜伏状態から脱却します。今回、LTRの遺伝子発現レベルのゆらぎだけをコントロールし、平均的な遺伝子発現量は変化させない薬が作られました。

今回はJurkatという培養細胞にLTRプロモーターでコントロールされたGFPを1コピー導入しました。この細胞に対しスクリーニングを行い、GFPの発現の平均値とばらつきをフローサイトメトリーで調べました。すると、約1600個あった薬のうち、80個でGFPの平均値が変化せず、なおかつノイズに変化がおきるものを見つけました。今回みつけたノイズを増幅させる薬を、HIV感染Jurkatに投与すると、単体ではHIVの増幅は見られませんでしたが、アクチベーター(LTRの発現の平均値を上げる薬)と一緒に混ぜると相乗効果でHIVの増幅活性があがりました。さらに副作用による細胞毒性も減っていました。逆にノイズを減らす薬をアクチベーターと混ぜると、HIVが活性しにくくなっていました。

現在AIDSに対する薬というのはあるのですが、潜伏期間のHIVに対して効果はありません。今回の薬でHIVが潜伏状態から脱却できなくしたり、任意に脱却させる方法の基礎となるでしょう。他にもノイズがコントロールできれば、副作用を減らしつつ、薬の利き方を最大にあげることができるのではないかと思います。個人的には非常に興味深い研究です。2年くらい前に細胞の遺伝子発現のノイズを減らせないかと考えたことがあって(考えただけですが)、将来的にやりたいと思っていた研究分野だけに先を越された気分。周りの人にはなかなか理解してもらえないだろうけど、非常に重要だし、面白いと思う。余談ですが、ソニーのウォークマンにはノイズキャンセリング機能が付いていて、この効果が絶大です。(私のノイズを減らせないかという考えはウォークマンを使っているときに考えました。)

元の論文
Screening for noise in gene expression identifies drug synergies

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

簡単に体内の薬の量を測る方法が開発される

世の中には数多くの薬が存在します。普通の薬局で売っているのはまあいいとして、病院でしか手に入らない医療用医薬品は効き目が良い代わりに副作用が強い場合があります。特にガン、心臓病、てんかんあるいは臓器移植後の免疫抑制剤などの薬は副作用が強く、適量投与しなければなりません。しかし、どのくらい投与すればよいかは個人差が大きいため、体内にどのくらいの濃度で薬があったときにどのくらい効果と毒性があるか知る必要があります。体内にある薬の濃度を測るにはそれなりに大変で、個別化医療を行ううえでのネックになっています。そこで、今回手軽に、安く、早く検出する方法が発表されました。

原理としてはBRETを使っています。BRETとはbioluminescence resonance energy transferの略で、ルシフェラーゼというタンパク質が基質を分解して発光し、そのすぐ近くに蛍光物質がある時のみ、ルシフェラーゼの光で励起し、蛍光物質が発光するというものです。良くあるのは、ルシフェラーゼと別のタンパク質Aをくっつけ、蛍光タンパク質とまた別のタンパク質Bがくっついたものを用意し、混ぜた時に蛍光物質の光を放つか、それともルシフェラーゼの色かということからタンパク質ABが結合するかを調べるという実験です。この論文ではまずターゲットとして抗がん剤のメトトキサレートを選びました。この物質はDHFRという受容体と結合します。そこで、DFHRとルシフェラーゼの融合タンパク質にさらにSNAPタグをつけました。SNAPタグの詳細は省きますが、ベンジルグアニンという官能基と結合できます。さらにベンジルグアニンと蛍光物質(赤く光る)とDHFR阻害剤をくっつけたものを用意しました。DHFR/ルシフェラーゼ/SNAPとベンジルグアニン/蛍光物質/DHFR阻害剤を混ぜると、赤く光ります。そこにメトトキサレートを混ぜると、DHFRに対する結合力は阻害剤よりも強いため、阻害剤の代わりにくっつきます。すると、ルシフェラーゼと蛍光物質の距離が遠くなり、BRETができなくなってルシフェラーゼの青い光だけがでてくるというものです。BRETはその光が非常に強いため、周りを遮光すれば普通のデジカメで十分定量的な観察できるため、大型の機械も要らず、患者の血液でも問題なく評価できました。他にも免疫抑制剤であるtacrolimus、sirolimus、cyclosporin A、抗てんかん薬のtopiramate、強心剤のdigoxinでも同様に定量的な評価ができました。

BRETに関する話は某研究試薬メーカーから聞いたけど、こんな使い方ができるとは考えてなかったな。阻害剤と蛍光物質とベンジルグアニンの化学合成って大変なのかな?

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(こんな感じで濃度ごとに違った色が見える。画像はここから引用。)

元の論文
Bioluminescent sensor proteins for point-of-care therapeutic drug monitoring

テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

ホッキョクギツネの起源はチベットにあり

情報元
Origins of Arctic fox traced back to Tibet

地球の極というと、北極と南極があります。そして第3の極と呼ばれるのがヒマラヤ山脈近くにあるチベット高原です。今回、北極にいるキツネの先祖と思われるキツネの化石が遠く離れたチベット高原で見つかりました。

チベット高原は標高5000m前後くらいにある世界最大にして最高の高原です。ここで360-510万年前と思われるキツネの骨の化石が発掘されたました。これまでに確認されている20種のキツネのいずれとも一致しない新種のキツネで、Vulpes qiuzhudingと名付けられました。たいていのキツネは肉も草も食べるのですが、このキツネは非常に鋭い歯を持っていて、完全な肉食動物であったと考えられます。北極のような極地では植物がほとんど育たないため、ホッキョクグマやホッキョクギツネなど、いずれも完全な肉食で、この点でVulpes qiuzhudingとよく似ていました。ホッキョクギツネとよく似たキツネの化石が北極以外で見つかったのは初めてで、チベットにいたVulpes qiuzhudingが氷河期に北極にたどり着いたものと思われます。このキツネはケブカサイやユキヒョウなどと同様に、氷河期を生きたアイコン的な生物の例となりそうです。

ただし、現状ではホッキョクギツネがチベット由来であるという証拠は鋭い歯を持つ完全な肉食のキツネであることのみです。そのため、たまたま似たような進化を遂げただけではないかという批判もあります。チベットが第三の極なら、深海が第四の極といえるでしょうから、第四の極ではどんな生物が眠っているか楽しみです。発掘するのはすごく大変だろうけど。
640px-Arctic-fox.jpg
ホッキョクギツネの画像。かわいいけれど狂暴です。(画像はwikimediaより)

元の論文
Himalayan fossils of the oldest known pantherine establish ancient origin of big cats

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

運動すると腸内細菌にも良いらしい

情報元
Exercise is good for your gut bacteria, too

これまでに何度か腸内細菌について述べてきました。どんな腸内細菌がいるかは免疫系と深く関わっており、健康のためには重要なポイントです。ただ、問題はどうやったらそれをコントロールできるかです。

今回の実験ではプロラグビー選手と普通のそれほど運動をしていない人を比較しました。プロのラグビー選手ですから、当然運動量も多いし、食事も普通の人とは異なっています。両者を比較すると、プロラグビー選手は腸内細菌の多様性が増しており、特に健康に重要な最近が増えていました。また、その多様性はタンパク質の消費やクレアチンキナーゼと相関が見られました。

走ると肥満、糖尿病予防になるのはもちろん脳で神経細胞が増えることが知られていました。さらに腸内細菌叢にも良いということで、運動をしない理由はますますなくなっていきます。そうなるとどうやったら運動をする習慣が身に付くかが重要ですが、それが簡単ではないから困る。

元の論文
Exercise and associated dietary extremes impact on gut microbial diversity

愛のホルモンは若返りのホルモンでもある

過去に輸血またはGDF11で若返るという論文を紹介しましたが、今回ホルモンでも筋肉が若返ることが明らかとなりました。

筋肉は歳とともに衰えますが、輸血で若返るという報告があったため、血液を流れるホルモンに注目しました。今回注目したのはオキシトシン。オキシトシンは愛のホルモンとも呼ばれ、授乳や出産の時などに重要な役割となります。このホルモンが出ているときは一緒にいる人に対し信頼し、協力的になると言われています。このオキシトシンというホルモンの分泌量は歳とともに減少していくことが分かりました。さらにオキシトシンが筋肉の再生や維持に必要であることが分かりました。若いマウスでもオキシトシンのシグナルを阻害すると筋肉が衰え、逆に投与すると老化した筋幹細胞の再生がMAPK/ERKシグナルを通して起きていました。オキシトシンを作れないノックアウトマウスは正常な発生をするものの、サルコペニアという筋肉が低下する病気になっていました。

ヒトで効く保障はまだありませんが、オキシトシンは既に陣痛促進剤として使われて、輸血やGDF11の投与よりも実際に使う上での障壁は少ないのではないでしょうか。ただし、妊娠している女性は早産になってしまう可能性もあり投与すべきではないと思うし、オキシトシンを嗅ぐと周りにいる人を盲目的に信じてしまうそうなので、詐欺に合いやすくなってしまうかもしれません。そんなわけで安全性のほかにも社会的な問題も起こりうるものの、非常に興味深いです。若くいる秘訣は恋をすることなんていいますが、そこにはオキシトシンによる筋肉の再生が関わっていたのかもしれません。

元の論文
Oxytocin is an age-specific circulating hormone that is necessary for muscle maintenance and regeneration

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

チョウチョにとっては塩はドーピング

情報元
Salt Is Like Steroids for Butterflies

日本海側の地域は世界有数の豪雪地帯で、いたるところで雪が降ります。そういった地域では雪を溶かすために塩をまいておいたりします。塩をまけばその地域の土壌の塩濃度は高くなるわけで、今回の研究は土壌の塩濃度が高くなると生態系にどの様な変化がおきるかというものです。

リンや窒素の比較的大きな化合物が増えた場合の変化というのは割りと研究されていますが、塩のような小分子ではどうかというのはあまりされていなかったので今回は塩濃度について調べました。まず、雪を溶かすために塩をまくと、その領域にいる植物中の塩濃度は1.5-30倍になります。そのような植物を食べて育ったチョウチョはオスでは筋肉量が増え、長時間飛んでいられ、メスでは脳のサイズが大きくなっていることが明らかとなりました。

ただし、情報元によると、必ずしも良いことだらけではなく、致死率が高くなるなどネガティブな面もあるそうです。その点はドーピングと一緒ですね。

元の論文
Anthropogenic changes in sodium affect neural and muscle development in butterflies

ネズミだって後悔する。

情報元
Rats Regret Bad Decisions

みなさんも過去を振り返ってあの時こうしておけばと後悔することがあるかと思います。後悔は精神のタイムトラベルとも言われ、過去や未来の心の状態を想像しているわけす。後悔は比較的高等な動物である霊長類にしかないものだと考えられてきました。しかし、今回げっ歯類であるラットも後悔するということがわかりました。

今回の実験ではレストラン街と呼ばれる実験を行いました。図を見てもらえばわかると思いますが、基本は円形の台でその端4か所にそれぞれ奥まで行けるところがあります。この端の奥に餌が置いてあり、どれを食べるか4箇所の中から選ばせるというものです。ただし、今回はえさには通常のえさと、チェリー、バナナ、チョコレートの風味を付けたものの4種類を用意し、端の4か所におきました。さらに、奥まで行ってもすぐには餌は出てこず、餌やり機の前で止まると音が出てある程度(1-45秒)待つとえさが出てくるという仕組みにしました。どのくらい待たなければならないかはランダムに決まりますが、待ち時間の長さは音の高さでわかるようになって、もし動いてしまえばカウントダウンは止まり、餌は出てきません。餌やりの時間は一日一時間と決められていて、円形の台は反時計回りに回らなければならない、下手に動いたら時間の無駄になるため、餌を選びは味の好みと、どのくらい待たなければならないかという2点に基づいて十分に考えてからラットは選びます。ラットにはまず、どこにどの餌があるかを覚えさせ、どの味ならどのくらい待てるかを調べました(当然個体差はありました)。慣れてくると、音と給餌までの時間の関係ややどこにどの味があるかを覚えます。そして時には餌が出るのを待たずに、次のところに移動した時にもっと条件が悪い状況に出くわします(好みの味じゃなく、待ち時間も長い時)。そんな時にラットは後ろを振り返ったり、眼窩前頭皮質と線条体という報酬計算に関わる領域の活性パターンがひとつ前の時に出てくるようなパターンを示しており、ラットは頭の中でもし前のところで餌をもらっていたらと考え、後悔していることがわかりました。そのうえ、ラットは今いるところのえさを普段なら待たないほど長い時間でも待って、さっさと目の前にあるえさを消費しようとしていました。ただ、反応は一様ではなく、目の前のえさだけに注目するラットもいれば、次のことを考えているマウスもいました。

誰だって後悔するようなことはしたくないため、ターニングポイントに立たされてどうするべきか自分の意思を決める時に後悔は重要な要因になります。意思決定の研究にラットのような比較的手軽に飼育できる動物が使えるというのは、研究者にとってありがたい話だとおもいます。薬物中毒等になると正常な意思決定ができなくなるので、このような治療に向けた研究にも使えるかも。私たちもラーメン屋に行こうという時に、込み具合と味の好みを天秤にかけて悩んだりしますが、ラットだっておんなじように悩んでるんです。もしかしたらあのミ○キーマウスだって。
sn-rats.jpg
(画像は情報元より引用)
元の論文
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrent/full/nn.3740.html

ベージュ脂肪細胞の作り方

先週金曜日に「カロリーを消費する新しい方法」というタイトルで書いたように、今回もベージュ脂肪細胞のメカニズムに関する論文を紹介します。脂肪細胞には褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞があり、褐色脂肪細胞は熱を作り出し、生きるために必要なもので、白色脂肪細胞はエネルギーの貯蔵庫として働きます。ベージュ脂肪細胞は簡単に言うと白色細胞は褐色脂肪細胞っぽくなったものです。なので、ダイエットにはベージュ脂肪細胞を作ることが重要です。これまで、IL-4とマクロファージの活性化が必要なことはわかっていたのですが、それ以上のことは不明でした。

今回はそのメカニズムの特定をしました。唯一知られているベージュ細胞を作る方法は寒い環境で育てること(今回なら気温5度でマウスを飼育)で、そのメカニズムです。非常に長いのでメカニズムをまとめると、寒い環境におかれ、マクロファージを活性化させる経路には2つあり、好酸球がIL-4を生産してそれを受け取るというものと、寒さによるストレスを受けたところにモノサイトをケモカイン受容体のCCR2を通してつれてくるというものです。その後マクロファージはチロシン水酸化酵素を発現し、白色脂肪細胞のベージュ化に必要なカテコールアミンを生産するというものでした。そしてIL-4を注射すると、ベージュ細胞が寒い環境でなくても増えること、肥満モデルマウスでは代謝障害が改善されました。

どんどんダイエットが簡単になっていきますね。でも、簡単に減らせるようになっても、やはり過食は寿命を縮めることになりかねないし、全く運動しないと何かと健康に良くないです。肥満になたっらどうするかではなく、ならないためにはどうするかが大切だということをお忘れなく。

元の論文
Eosinophils and Type 2 Cytokine Signaling in Macrophages Orchestrate Development of Functional Beige Fat

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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