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簡単に体内の薬の量を測る方法が開発される

世の中には数多くの薬が存在します。普通の薬局で売っているのはまあいいとして、病院でしか手に入らない医療用医薬品は効き目が良い代わりに副作用が強い場合があります。特にガン、心臓病、てんかんあるいは臓器移植後の免疫抑制剤などの薬は副作用が強く、適量投与しなければなりません。しかし、どのくらい投与すればよいかは個人差が大きいため、体内にどのくらいの濃度で薬があったときにどのくらい効果と毒性があるか知る必要があります。体内にある薬の濃度を測るにはそれなりに大変で、個別化医療を行ううえでのネックになっています。そこで、今回手軽に、安く、早く検出する方法が発表されました。

原理としてはBRETを使っています。BRETとはbioluminescence resonance energy transferの略で、ルシフェラーゼというタンパク質が基質を分解して発光し、そのすぐ近くに蛍光物質がある時のみ、ルシフェラーゼの光で励起し、蛍光物質が発光するというものです。良くあるのは、ルシフェラーゼと別のタンパク質Aをくっつけ、蛍光タンパク質とまた別のタンパク質Bがくっついたものを用意し、混ぜた時に蛍光物質の光を放つか、それともルシフェラーゼの色かということからタンパク質ABが結合するかを調べるという実験です。この論文ではまずターゲットとして抗がん剤のメトトキサレートを選びました。この物質はDHFRという受容体と結合します。そこで、DFHRとルシフェラーゼの融合タンパク質にさらにSNAPタグをつけました。SNAPタグの詳細は省きますが、ベンジルグアニンという官能基と結合できます。さらにベンジルグアニンと蛍光物質(赤く光る)とDHFR阻害剤をくっつけたものを用意しました。DHFR/ルシフェラーゼ/SNAPとベンジルグアニン/蛍光物質/DHFR阻害剤を混ぜると、赤く光ります。そこにメトトキサレートを混ぜると、DHFRに対する結合力は阻害剤よりも強いため、阻害剤の代わりにくっつきます。すると、ルシフェラーゼと蛍光物質の距離が遠くなり、BRETができなくなってルシフェラーゼの青い光だけがでてくるというものです。BRETはその光が非常に強いため、周りを遮光すれば普通のデジカメで十分定量的な観察できるため、大型の機械も要らず、患者の血液でも問題なく評価できました。他にも免疫抑制剤であるtacrolimus、sirolimus、cyclosporin A、抗てんかん薬のtopiramate、強心剤のdigoxinでも同様に定量的な評価ができました。

BRETに関する話は某研究試薬メーカーから聞いたけど、こんな使い方ができるとは考えてなかったな。阻害剤と蛍光物質とベンジルグアニンの化学合成って大変なのかな?

510191b-i1.jpg
(こんな感じで濃度ごとに違った色が見える。画像はここから引用。)

元の論文
Bioluminescent sensor proteins for point-of-care therapeutic drug monitoring
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テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

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