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髄芽腫ではエンハンサーがハイジャックされていた

タイトルにある髄芽腫とは、悪性脳腫瘍の一種で、子供の患者が多い病気です。この髄芽腫は発現しているタンパク質によって4つのサブグループに分けられます。そのうちグループ3と4が特に多く見られますが、どのガン遺伝子が使われているのか不明でした。今回、GDI1というガン遺伝子が発現しており、それはエンハンサーが乗っ取られているからだということが分かりました。

エンハンサーとは簡単に言えば遺伝子の使う量を調節している部分で、エンハンサーが作用すると、遺伝子が多く使われるようになります。エンハンサー自体はDNA上では遺伝子と離れたところにあるものの、細胞内では近くにいるというのが特徴です。まず細胞内でのゲノム構造の変化を調べていくと、染色体9番といくつかの既知のガン遺伝子周辺で見られました。そこで、詳細に調べていくと、9番染色体上にあるGDI1Bという遺伝子が髄芽腫のグループ3と4でのみ発現していました。その原因を調べていくと、GDI1遺伝子周辺でDNAの再構成が起きており、本来別の遺伝子を活性化するためのエンハンサーがGDI1の発現上昇に使われていました。。このGDI1遺伝子の発現が髄芽腫の原因であるか調べるため、GDI1とガン遺伝子のMYCを神経幹細胞に導入しました。GDF1あるいはMYCのみだと脳腫瘍はできませんが、両方を導入した時は腫瘍が形成され、数日で死に至りました。

エンハンサーが乗っ取られるという興味深い現象。この現象が報告されたのは今回が初めて。治療にはHATインヒビターとかでこのエンハンサーの活性を落とせばいいのかな?ちなみにハイジャックというのは乗っ取るという意味で、飛行機だろうがバスだろうがのっとると英語ではhijackという単語が使われます。だからバスジャックという言葉は正しくありません。たぶんhiとhighがごちゃ混ぜになったんだと思う。髄芽腫のDNAのメチル化に関する論文も出ているようなので気が向いたらこちらも取り上げるかもしれません。

元の論文
Enhancer hijacking activates GFI1 family oncogenes in medulloblastoma
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