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歯は幹細胞の工場だった!

情報元
Unexpected stem cell factories found inside teeth

今週驚くような報告がされました。なんとマウスの歯の中で神経細胞が間葉系幹細胞にリプログラミングされていたというのです。

人に限らず、多細胞生物の生命はたった一つの細胞から始まります。その細胞はどんな種類の細胞にもなれる力を有していますが、増殖・成長していくにしたがって、徐々なることができる細胞が限定され、運命が決まっていきます。細胞の運命が決まり、他の細胞種に変わることを分化と言います。一度運命が決まってしまうと、その運命を覆すことは簡単ではありません。植物では比較的簡単に決まってしまった運命を変えられますが、ヒトではなかなか難しい。iPS細胞はそのような分化してしまった細胞の種類を変えたというものでした(存在するかは別ですが、STAP細胞もです)。これまでiPS細胞のように人為的に運命の決まってしまった細胞を決まっていない状態にすることはできるものの、体の中でそのようなことは起きないと考えられてきました。

歯の中にはtooth pulpと呼ばれる、間葉系幹細胞が集まっているところがあります。間葉系幹細胞は骨や軟骨、歯などになることはできますが、神経や皮膚といった細胞にはなれません。しかし、この幹細胞がどこからやってくるのか不明でした。今回の著者らは口の中にいるグリア細胞という神経細胞の周りいる、ニューロンを支える細胞について研究していました。ここの神経細胞は歯の痛みを脳に伝えています。今回はグリア細胞を蛍光標識して時間と共にどのように動くかを調べました。すると、歯茎にいたグリア細胞の一部が歯の内部に移動し、グリア細胞が間葉系幹細胞に変化したのです。その後、その細胞は最終的に歯になっていったそうです。

今のところどの様にしてグリア細胞が間葉系幹細胞になったかは不明です。今回のようなことが仮にin vitroでも再現できれば、組織の再生、再生医療に重要な役割を担うようになるでしょう。私は幹細胞は専門外で詳しくはありませんが、歯はレーザーで歯が再生できたりするそうなので、歯の中は幹細胞を作りやすいニッチになっているのでしょう。今後注目の研究ですね。
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(歯の中でグリア細胞が間葉系幹細胞になっていた。画像は情報元の記事より。)
元の論文
Glial origin of mesenchymal stem cells in a tooth model system
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

飢餓の遺伝メカニズム

みなさんは普段から栄養のあるものをバランスよく食べてますか?私たちが何を食べるかは自分の健康だけでなく、子供たちにも大きく影響を与えます。例えば以前妊娠期に飢餓状態になると次の世代は太りやすくなるなど様々な影響を与えます。食事の影響は妊娠期に限らず、それ以外の時期でも次世代に影響する可能性があります。今回、妊娠期以外でも実際に遺伝しており、small RNAによるコントロールが行われていることが示されました。

今回の実験では、線虫を発生初期のころに、6日間飢餓状態にし、その後通常の食事に戻して子孫を作らせていき、孫の代まで追いかけていきました。そして飢餓を経験した線虫とその孫世代の線虫のsmall RNAを取り出し、発現を調べていきました。コントロールと比較して飢餓により発達阻害も起きていましたが、通常よりも大量のsmall RNAが生産されており、少なくても3世代は遺伝し、同じ状態が続いていました。この内在性の、遺伝可能なsmall RNAは遺伝子のアンチセンスであり、遺伝子発現を減少させていました。ターゲットとなる遺伝子のオントロジーとしては栄養にかかわるものでした。このようなsmall RNAによる遺伝子発現制御により、次世代に栄養不足状態の効果を与えるていました。栄養飢餓をすると線虫の寿命が延びることが知られています。同様の効果が第3世代にも見られ、飢餓を経験した線虫の子供は通常の食事を与えられていても寿命が長くなっていました。

以前、マウスでトラウマがsmall RNAを介して遺伝していくという話をしました。これまで世代を超えたエピジェネティクスの研究はおもにDNAのメチル化に注目が集まることが多かったですが、DNAのメチル化だけでは世代を超えたエピゲノムの遺伝は説明できていません。もしかしたらメタボなどのエピジェネテッィクな世代を超えた遺伝でもsmall RNAが重要なのかもしれません。おそらく精子や卵子内の遺伝物質としてのsmall RNAの研究が今後盛んになるのではないでしょうか。このようなエピゲノムの変化も広義には進化の産物といえるかもしれません。

元の論文
Starvation-Induced Transgenerational Inheritance of Small RNAs in C. elegans

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自閉症の遺伝子

自閉症は脳の発達遅延や極度のコミュニケーション障害を引き起こす病気です。症状は一定ではなく、幾つものサブタイプが存在します。自閉症は先天的なものなのですが、自閉症遺伝子というのは見つかっておらず、100個以上の遺伝子が関与していると考えられています。今回、重度の自閉症にCHD8というタンパク質の変異が原因となっている場合があることが明らかになりました。

従来のアプローチでは似たような症状の人たちを集めて、その人たちに共通する遺伝子の変異を調べるというものでした。しかし、自閉症に様に非常に多様な症状を示す病気ではあまり有用な方法ではありません。そこで今回は逆に、自閉症あるいは発達障害と診断された子供たち3730人の中から特定の変異をもつ人たちを調べました。今回のターゲットであるCHD8は、クロモドメインをもつヘリケースの一種。自閉症患者のCHD8を調べていと、変異のタイプはインデルなどはなく、いずれも塩基置換が起きていました。正常な人の場合9000人近く調べてみましたが、変異はないそうです。変異の場所はエキソンだけでなく、イントロンに入っている場合もあります。このタイプの変異を持っている自閉症患者の表現型を調べると、頭が大きい、便秘を引き起こしやすい、顔では額が広いなどといった特徴が見られました。次にCHD8の変異をゼブラフィッシュに入れてみました。すると、そのゼブラフィッシュは頭が大きいなどの外見特徴だけでなく、行動などにも自閉症の症状を再現でき、今後自閉症研究のための戻るとして使えそうです。

今回の研究では数多くいる自閉症患者の一部の人たちが当てはまるものですが、今後同様なアプローチで他の自閉症の原因となる変異も見つかるものと思われます。原因が違えば対処法も違うので、以前抗トリパノソーマ薬で自閉症が治るケースを紹介しましたが、改善しない場合も当然あるでしょう。遺伝子診断と組み合わせた個別医療の時代が待たれます。
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(CHD8に変異を持つ自閉症患者の顔写真。全体的に額が広く、似てるのが分かる。画像はSCIENTIFIC AMERICANより。)

元の論文
Disruptive CHD8 Mutations Define a Subtype of Autism Early in Development

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胃の傷にピロリ菌が集まってくる

情報元
Injuries invite ulcer microbe

体内の細菌は免疫系などに対し体に良い効果をもたらすことがある一方で、ピロリ菌は胃潰瘍やガンの原因になることがあり害悪な場合もあります。ピロリ菌が胃の中にいると、傷ができ、胃潰瘍などになった時に回復が遅れる原因になります。ではどうして回復が遅れるのでしょうか。実はそれは胃などに傷があるとピロリ菌はそこに集まり、コロニーを形成して治療の邪魔をしていました。

今回の実験では麻酔をかけたマウスの胃の表面に小さな傷を付けました。すると、ピロリ菌は傷口に素早く集まり、ものの数分で治療の邪魔をし始めました。これは体の中でピロリ菌の感染の最初の段階がどうなっているかを示した初めての例です。その後観察を続けるとどんどん増殖しコロニーを形成しました。このような現象は胃潰瘍にみられるような大き目の傷の時も見られました。また、動けないピロリ菌や周りの環境変化を感じ取れないようにしたピロリ菌を投与しても、ピロリ菌に感染しにくくなっていました。

いまのところどうやってピロリ菌が傷を見つけてくるのかは不明です。もしかしたら食べ物を良く噛まずに飲み込み、わずかな傷がつくということでもピロリ菌が集まってくる可能性があります。

元の論文
Motility and Chemotaxis Mediate the Preferential Colonization of Gastric Injury Sites by Helicobacter pylori

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本当に賢い生き物はなに?

情報元
Crows defeat 5-year-olds in test of wits

イソップ物語の中にからすと水差しというのがあるをご存知でしょうか。水差しの中に少しの水が入っており、カラスはそのままではくちばしが届かず水が飲めません。そこで様々な工夫の上、中に小石を入れていき、水位を上げて飲むという物語で、転じて難しい事も、あきらめずに頑張れば、成功するという教えです。イソップ物語の作者アイソーポスは紀元前の人で、昔からカラスは頭が良いことでも知られていたことが分かります。実際にはカラスは水差し話よりももっと複雑なタスクもこなせ、5歳児以上の知能を持っていることが確認されました。

今回は原因と結果の因果関係を認識する能力について調べました。カラスと水差しのような状況では、石を入れることで水位が上がるというというのは自明のことで、原因と結果の因果関係の認識能力はさほど要しません。そこで、今回のU字型のチューブを使いました。U字型チューブの端と端のあいだの部分は隠してあるので、2つの端がつながっており、一方の端から石を入れてももう一方の端の水位が上がることは分からないようになっています。この実験をあらかじめI字型チューブに小石を入れる訓練をつんだカラスで行いました。そしてカラスはこのU字型チューブタスクもこなすことが出来ました。このように因果関係が不明瞭なものの関係性を推測するようなタスクは人間なら4-5歳くらいにならないとこなせません。つまりカラスは因果関係を推測する力は少なくとも5歳児くらいはあるということでした。

特に進化の話をするときに、人間が一番高等で頭がよいという前提で話をしている人を見かけます。しかし、いずれの生物も同様にしているのだから人間が一番高等であるという考えは正しくないと考える人もいます。また知能という面で見ても、からす以外にも賢い動物はいて、最近もチンパンジーは人間よりもゲーム理論の理解は優れているという報告がありました。我々は巨人たちの肩に乗っているから賢いと思っているけれど、地頭が最も良いというわけではないのかもしれません。

元の論文
Modifications to the Aesop's Fable Paradigm Change New Caledonian Crow Performances

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ハエの聴覚を応用した音検出器

久しぶりに物理・工学的な話を一つ。

ヤドリバエ(Ormia ochracea)という体長1cm程度のハエがいるのですが、このハエは日本で見るようなハエとはちょっと違っていて、他の生物に寄生するという特徴があります。その相手はコオロギなのですが、ご存知の通りコオロギは夜になると鳴きます。このハエはその音のする位置を正確に捉え、自分の寄生先を探し出すという方法をとっています。今回、このハエの音の検知システムを利用した装置が作られました。

人間の場合、音を聞くと、2つある耳に届く時間の差から音源の位置を推測しています。ですがこのハエの場合、体が非常に小さいため、2つの耳に音が届くタイミングはほぼ一緒になってしまいます。このハエの耳は非常に特殊で、一方の耳に音が入ってくると、反対側の耳は位相が180度反転した状態で振動します。これにより、両耳に届くごくわずかな時間差を増幅し、位置の特定が出来るようになっています(あまり理解できてない)。今回はこの耳のシステムをシリコンで再現し、非常に感受性の高い補聴器を作ることに成功しました。

実はこの研究の資金源はアメリカの国防高等研究計画局というところで、軍事応用技術を研究するところです。この技術を用いて銃などの発砲音から敵の位置を正確に知ることが出来るようになるだろうとのことです。戦争なんてせずにすむならそれが一番ですから、出来ればこういった技術を軍事応用する必要が無い世界になってほしいものです。ちなみにここ10年くらいの間にハワイではコオロギがあまり鳴かなくなったそうで、その原因がこのヤドリバエのせいなんだとか。ヤドリバエはアメリカにいるハエですが、以前はハワイにはおらず、比較的最近になって入ってきた生物です。コオロギは交尾相手を探すために無くのですが、自分の身をヤドリバエから守るために泣かないようにしているそうです。虫の世界も戦争中ってことですかね。

元の論文
Sound source localization inspired by the ears of the Ormia ochracea

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嚢胞性線維症の薬は難しい

日本人ではあまりいないのですが、白人を中心に嚢胞性線維症という病気を発症するケースがあります。CFTR遺伝子の変異によって肺の内部に粘着性粘液が蓄積することが原因となり、肺炎を起こします。悪化していくと肝臓も悪くなり、多くの場合は30代に亡くなってしまいます。問題は嚢胞性線維症の薬を作ることが非常に難しいことです。CFTRに変異が入ることで、正しいタンパク質の構造がとれないという問題と、本来細胞表面にあるタンパク質なのにそこに行けないという問題が起きます。原因となる変異にも複数あり、最近になってG551D変異(551番目のアミノ酸がグリシンからアスパラギン酸に変異)の治療薬として VX-770(ミスフォールディングを正す)というのがVertex Pharmaceuticalsという会社によって作られました。さらにVX-809(細胞両面に移動させる)という薬の開発も行っています。しかし、このタイプの変異は非常にレアで多くの人にとっては有効な薬ではありません。今回はこの嚢胞性線維症薬に関する論文が2報ありました。どちらも似たような内容で、嚢胞性線維症治療の難しさを示すものでした。

嚢胞性線維症で最も多いΔF508という変異が入った肺の細胞に対して、VX-770とVX-809長期にわたって作用させました。結果、VX-770を長期間投与することでVX-809の効果が阻害されていました。特にその結果はVX-770の量に依存しており、高濃度ほどVX-809に対する阻害も強くなっていました。また長期間XV-770を作用させることで、CFTRが不安定になる様で、CFTRが働かなくなってしまったそうです。

今回のような遺伝病の場合、根本からの治療が困難なため、変異によって起きた状況を改善させるような薬になります。そうなると、いつまでたっても変異は戻らないので死ぬまで薬を飲み続けなければならず、長期間作用させた場合の副作用というのは非常に重要な問題です。今回の場合、VX-770にさらなる改善が求められます。

元の論文
Potentiator ivacaftor abrogates pharmacological correction of ΔF508 CFTR in cystic fibrosis
Some gating potentiators, including VX-770, diminish ΔF508-CFTR functional expression

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友達をたくさん作るには小さな嘘はあっても良い

情報元
White lies keep society intact

皆さんが意識しているか否かは分かりませんが、多くのひとは毎日のように嘘をついています。私は嘘なんてつかない!と思っているあなた!本当ですか?恋人や家族に今日の髪形はどうかと聞かれたときに、髪型がいまいち決まってないけど変じゃないとか言ってませんか?でも自分は嘘つきだと気に病む必要はありません。悪意の無い、小さな嘘は人間関係を良好にし、ソーシャルネットワークを構築するのに良いことが示されました。

今回は時間と共にネットワークがどの様に変化するかという数学的なモデルを作り上げました。さらにそこに嘘という変数を加えました。嘘には誰かを傷つけたなど大嘘ともっと悪意の無い小さな嘘を用意しました。当然かもしれませんが、大嘘を加えた場合、ネットワークは分断されていき、最終的には孤立して、大きなネットワークを作るのは難しいという結果でした。一方で小さな嘘を入れた場合、たとえ高頻度であっても強いつながりの小さなコミュニティーが出来上がりました。

当然ながらコンピュータによるネットワークモデルは実際のネットワークよりもずっとシンプルになっています。現実では多少違いはあるでしょうが、人のためになる小さな嘘はついても大丈夫でしょう。個人的には人を傷つけるかもしれない事実を言った場合(例えば鼻毛が出ていることを指摘するなど)のネットワークの変化を知りたいです。友達の鼻毛が出ていたらそれを指摘できますか?私はいつも迷った挙句、最終的には言えずにいます。もし言ったらどうなるんでしょうか。。。

元の論文
Effects of deception in social networks

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毒を腸内細菌が分解してくれる。

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Fecal transplants let rats eat toxic plants

世界にある植物は私たち人間にとって体に良いとされるものだけでなく、毒となるものも非常に多くあります。中には毒性のある植物などを食べて生活している生物というのもたくさんいます。Desert woodratはモリネズミと呼ばれるネズミの一種で、その名の通り砂漠に住んでいます。このネズミの主食はクレオソートという有害物質を含んだクレオソート・ブッシュというハマビシ科の植物です。今回desert woodratがクレオソート・ブッシュを食べていけるのは腸内細菌のお蔭であることが示されました。
今回desert woodratの糞を、クレオソートを摂取できないラットに移植をしました。するとそのラットはクレオソート・ブッシュを食べれるようになりました。一方、desert woodratに抗生物質を投与し、大半の腸内細菌を殺すとクレオソート・ブッシュは食べれなくなりました。

以前から腸内細菌が毒を分解し、無毒化することで食べていけるようになったと考えられていました。これはこのネズミに限らず、多くの毒性物質を食べる生物でも同様です。今回は実験的な証拠が示された形です。今回の結果、腸内細菌だけで食べれるものが変わることが示されました。パンダが肉食な体なのに笹だけを食べて生きていける理由は腸内細菌にも秘密があると言われています。
急激な環境変化などで食べるものを変えなければならない時、腸内細菌を変えることで環境変化に適応できるようになるかもしれません。そういった意味で、腸内細菌叢が変わるというのはDNAに依存しない、簡単かつ迅速な進化の形と言えるかもしれません。
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(モリネズミ。画像は情報元の記事より。)
元の論文
Gut microbes of mammalian herbivores facilitate intake of plant toxins

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AIDS治療に新たな光

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Cancer treatment clears two Australian patients of HIV

ご存知の方も多いかと思いますが、先日ウクライナで撃墜された飛行機にAIDS学会に参加する人たちが搭乗していました。本日より、その国際AIDS学会が開かれました。そのなかで、がん治療のための骨髄への造血幹細胞移植を受けた人からHIVが消えたという報告がありました。

AIDSはHIVウイルスを原因とする悪名高い免疫系の病気です。これまで様々な研究が行われてきましたが、未だ完全に治ったといえる人は一人しかいません。その人はベルリンの人で骨髄移植を受けた人です。ちなみにHIVに強いという遺伝子を持った人がごく稀におり、ドナーとなった人はそのような人です。以前、HIVに感染した乳児に対し治療を行い、3年間HIVが検出されないことから完治したと思われた例もありました。しかし、最近になって再発してしまったというニュースがあり、研究者たちを落胆させるということがありました。骨髄への移植でHIVが検出されなくなったという報告は他にもあり、一年前の国際AIDS学会でボストンの人たちした。しかし、抗HIV薬の投与をやめてしばらくすると再発してしまったそうです。昨年この発表を聞いたオーストラリアの医師たちが、自分たちの患者でHIVに感染しており、骨髄移植を受けた人を探してみたところ、2011年に移植を受けた人と2012年に移植を受けた人の2例ありました。今のところHIVは検出限界以下だそうです。しかし再発の恐れもあるため、どのタイミングで抗HIV薬をやめるか難しい決断を迫られるでしょう。

新たなHIVの治療法として骨髄移植が有効な可能性が高くなってきました。ただ、骨髄移植はいったん自分の骨髄を消し去って、他人の骨髄を移植するため、10-20%と非常に高い確率で亡くなるリスキーな手法であるため、積極的に行われてはいません。それでもAIDS治療に向けて重要な知見であると言えるでしょう。
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(白血球にHIVが感染している様子。黄色いのがHIV。画像は情報元の記事より。)
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