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ミトコンドリア病の遺伝を止める方法

遺伝というのはありがたくもあり厄介なものでもあります。良いものを後世に残せればよいですが、時として病気などのメリットのないものを残してしまうこともあります。そんな遺伝病の一つにミトコンドリア病というのがあります。ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを生産する細胞小器官で、生きるために欠かせません。一つミトコンドリアの特徴的なところは、基本的にお母さんからしか受け継がないというところです。受精した際、精子内にあるミトコンドリアは分解され、卵子にあるミトコンドリアだけが残るため、お母さん由来のミトコンドリアだけが残ります。ミトコンドリア病はミトコンドリアの機能が阻害されエネルギーが生産されない病気で、母性遺伝をします。ミトコンドリア病の遺伝を止める手法として患者の卵子の核を健康な人の卵子の細胞質に入れて、ミトコンドリアを入れ替えてやるという方法が提唱されています。しかしこの方法では、元のミトコンドリアが少し残ってしまうという欠点があります。今回ミトコンドリア病の遺伝を食い止める新たな手法が開発されました。

方法は卵子ではなく、極体の核を健康な人の卵子に入れるという方法です。卵子が作られる際、一度4倍体になった後、DNAの複製を伴わずに2回分裂を起こし、4つの1倍体の細胞が出来上がります。そのうち一つだけが卵子となり、残りの3つは極体と呼ばれる細胞になり、卵から排除されていきます。極体はゲノムは卵子と同じであるものの、細胞質が卵子よりもずっと小さいくミトコンドリアが移植後も残る可能性が低くなります。実際にマウスで実験してみたところ、無事に子供も生まれ、第一極体を使った場合は元の母親のミトコンドリアは検出されなかったそうです。

今回の方法は他の遺伝病の遺伝を止められるわけではないし、核移植が必要になるため技術的、倫理的に困難な部分が残ってはいます。しかし、遺伝をコントロールする手法の一つとして大きな一歩ではないでしょうか。

元の論文
Polar Body Genome Transfer for Preventing the Transmission of Inherited Mitochondrial Diseases
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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