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iPS細胞とクローニングで作ったES細胞の違い

以前、クローニングによるES細胞の樹立に成功した2例目の話を紹介したことがありますが、そのなかで、今後同一の人由来のiPS細胞とES細胞の違いが研究されるだろうという話をしました。今回は初めて核移植によるクローニングでES細胞チームに成功したチームから、iPS細胞とクローニングによるES細胞の比較をした結果が報告されました。

今回使用したサンプルは繊維芽細胞の核を移植してつくったES細胞と、同じ繊維芽細胞に4つの遺伝子を過剰発現させて作ったiPS細胞です。まずゲノムのコピーナンバーを調べました。結果はどちらも同等な結果が得られ、遺伝的に同一の細胞集団であることが確かめられました。しかしながらDNAのメチル化やトランスクリプトームを調べると、核移植で作ったES細胞は通常のES細胞に近いものの、iPS細胞にはまだ違いがあり、たとえばDNAのメチル化なら元の繊維芽細胞のメチル化パターンが残っていました。従って、この違いはリプログラミングの方法に起因するものであるとのこと。

個人的には同じ細胞集団の繊維芽細胞といっても1個1個違う性質を持っているため、その違いに起因する可能性や、培養期間によってもエピゲノムは変化するため本当にリプログラミングの方法による違いであるとは断定できないのではと思います。リプログラミングの手法によるものだろうと私も思いますが。筆者らは再生医療に適応するなら核移植の法が良いと言っています。確かに質はよいかもしれませんが、核移植は技術的なむずかしさ、卵子を使うので細胞を入手する困難さがあり、実現することが可能になっても大規模にやるのは難しいのではと思います。一方でiPS細胞がES細胞との違いがあることは以前から知られており(その原因がリプログラミング方法か、それとも個人差かというのは不明でしたが)、リプログラミングが不十分であるためと多くの人が考えていました。そのため、iPS細胞の質をあげる研究を行っている人たちもいますので、こっちの研究が発展させていったほうが良いのでは?と思います。もちろん核移植によるES細胞は、質の良いiPS細胞作りにも役立つでしょう。

元の論文
Abnormalities in human pluripotent cells due to reprogramming mechanisms
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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