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自閉症の遺伝子

自閉症は脳の発達遅延や極度のコミュニケーション障害を引き起こす病気です。症状は一定ではなく、幾つものサブタイプが存在します。自閉症は先天的なものなのですが、自閉症遺伝子というのは見つかっておらず、100個以上の遺伝子が関与していると考えられています。今回、重度の自閉症にCHD8というタンパク質の変異が原因となっている場合があることが明らかになりました。

従来のアプローチでは似たような症状の人たちを集めて、その人たちに共通する遺伝子の変異を調べるというものでした。しかし、自閉症に様に非常に多様な症状を示す病気ではあまり有用な方法ではありません。そこで今回は逆に、自閉症あるいは発達障害と診断された子供たち3730人の中から特定の変異をもつ人たちを調べました。今回のターゲットであるCHD8は、クロモドメインをもつヘリケースの一種。自閉症患者のCHD8を調べていと、変異のタイプはインデルなどはなく、いずれも塩基置換が起きていました。正常な人の場合9000人近く調べてみましたが、変異はないそうです。変異の場所はエキソンだけでなく、イントロンに入っている場合もあります。このタイプの変異を持っている自閉症患者の表現型を調べると、頭が大きい、便秘を引き起こしやすい、顔では額が広いなどといった特徴が見られました。次にCHD8の変異をゼブラフィッシュに入れてみました。すると、そのゼブラフィッシュは頭が大きいなどの外見特徴だけでなく、行動などにも自閉症の症状を再現でき、今後自閉症研究のための戻るとして使えそうです。

今回の研究では数多くいる自閉症患者の一部の人たちが当てはまるものですが、今後同様なアプローチで他の自閉症の原因となる変異も見つかるものと思われます。原因が違えば対処法も違うので、以前抗トリパノソーマ薬で自閉症が治るケースを紹介しましたが、改善しない場合も当然あるでしょう。遺伝子診断と組み合わせた個別医療の時代が待たれます。
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(CHD8に変異を持つ自閉症患者の顔写真。全体的に額が広く、似てるのが分かる。画像はSCIENTIFIC AMERICANより。)

元の論文
Disruptive CHD8 Mutations Define a Subtype of Autism Early in Development
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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