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音楽教育が音声処理能力の向上を助けてくれる

音楽教育と受けた子供は、似たような音の言葉を聞き分ける能力を向上できるそうです。

今回の実験ではロサンゼルスに住む低収入の家庭に生まれた6-9歳の子供を対象に行いました。この子たちに放課後、2年間にわたって音楽教育をした子供と1年間だけの子供を比較しました。2年間教育を受けた子供はgaとzaのように似た音節に対してより早く、センシティブな反応が脳波に見られました。

このような能力は読書や言語能力に重要なものだそうで、音楽によって国語の点数が良くなる可能性が示唆されています。実学主義の人は、再度音楽等の実学ではない教科のメリットを考えてみては?もしかして私が今でも英語の似たような発音、たとえばsとthを聞き分けるのが難しいと感じるのも子供の時に音楽を聞いてなかったからかも。大人になっても効果あるなら音楽きこうかな。それとももっと効率の良い方法があるのかな?

元の論文
Music Enrichment Programs Improve the Neural Encoding of Speech in At-Risk Children

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

iPS細胞による再生医療の臨床試験が行われた

ご存知かもしれませんが、9/12に滲出型加齢黄斑変性に対する自家 iPS 細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究が行われました。加齢黄斑変性は加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。治療法が無いわけではないのですが、有効でないケースも多くあるそうです。今回は70歳代の女性が患者で、患者の細胞からiPS細胞を樹立し、培養後に分化させ、RPEシートを作り移植しました。大量出血なども無く、無事に終わったそうです。

最終的に視力が回復するかどうかは現時点では不明ですが、この手術はiPS細胞による再生医療の第一歩で、今後の再生医療の未来を決めるターニングポイントになると思います。成功することを祈っています。

情報元
第一症例目の移植実施について

小脳はなくても死なないらしい

情報元
Twenty-four-year-old pretty much OK without cerebellum

昨日からちょっと話題になっているのですが、中国で小脳が無い人が見つかりました。

ふらふらするとか吐き気を訴える人24歳の女性が中国にいました。医師がCTとMRIで脳内をスキャンしたところ、小脳がありませんでした。小脳は運動機能を統合しており、例えば自転車に乗る技術のように、いわゆる体で覚えるというのは小脳が担っています。しかし、小脳の無い人はちょっと動きがギクシャクしたり、言葉が不明瞭になったりはするものの、動いたり、バランスをとったり、話すことも出来ます。

この患者は姉妹がいるそうですが、姉妹たちの脳は正常だそうです。なぜ小脳が無いのかは不明のようですが、小脳が無いためか、動いたり話したりという能力の習得に普通よりも時間がかかったそうです。おそらく脳のほかの部位が小脳が担う機能を代わりに担っているものと思われています。患者HMのように脳の高次機能の研究に貴重なサンプルとなるでしょう。人の体って本当に不思議です。
sifter-cerebellum.jpg
(患者の頭をスキャンした結果。後頭部のところに小脳が無い。画像は情報元より。)
元の論文
A new case of complete primary cerebellar agenesis: clinical and imaging findings in a living patient

テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

魚だって協力する

チームワークをとるというのは私たちの社会において重要な力となります。この能力を進化という面からみてみると、チンパンジーなどの霊長類の生物もいつ、だれと協力するべきかということを適切に選ぶことができます。では他のもっと下等な生物はどうでしょうか。今回、魚でさえ他のパートナーと適切に協力しており、この能力の起源は予想よりも古いものであることがわかりました。

今回対象になったのはオーストラリアのグレートバリアリーフに住むコーラルトラウト(ハタの一種)という魚です。この魚は獲物を捕まえる際に、頭を振るなどのジェスチャーによるコミュニケーションによってウツボの力を借りていました。トラウトのほうは魚を追いかけるためのスピードを持っており、蛇のような形をしたウツボはさんご礁に隠れた獲物を追い立てることができます。ただ、ウツボの中には魚を追い立てるのが上手だったりして、トラウトにとってより有益になる個体もいます。そのため、トラウトはちょっとウツボをテストしてみてコラボレーターとして適切か見ているということも分かりました。

魚でもこのような協力関係を結ぶことから、この能力は脳のサイズとかは重要ではなく、メリットの有無だけで自然ときまっていくのかもしれません。世の中でも、研究の世界でもコラボレーションは増えています。こういった生物の行動からコラボレーションを成功させるための秘訣を知ることが出来るかもしれません。

元の論文
Fish choose appropriately when and with whom to collaborate

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

天才の遺伝子の影響は小さい

情報元
'Smart genes' prove elusive

頭の良さは遺伝子で決まるのかというのは多くの人にとって気になるところ。この関係を調べる研究はこれまでにも行われており、以前このブログではKlothoという遺伝子変異体が頭の良さに影響しているかもという記事を書いたことがあります。他にも双子の研究による知性、個性、行動の遺伝的影響というのは何度も行われています。ただ、個人差の影響も大きく、再現性が取れないということも少なくありません。

今回の研究チームは以前12万人以上の人の協力のもと、学歴と遺伝子の変異の関係を調べており、3つの変異が学歴に影響していることを突き止めました(ただし、影響は小さいようです)。今回の研究はそのフォローアップになります。今回は最初に、前回のデータをもとに学力とのつながりが最も大きい69個の遺伝子変異体を選びました。さらにもっとダイレクトにIQとのつながりを調べるために、認識能力テストを受けた24,000人の遺伝子変異体とテストの結果を比較しました。その結果、3つのSNPs(rs1487441, rs7923609, and rs2721173)が学歴でもIQでも高い人に見られるものとして見つかりました。その影響はというと、その変異があると平均してIQが0.3ポイント高かったそうです(IQ85-115の人を対象としている)。つまりDNAは父親由来のものと母親由来のものがあるため、仮に2種類の変異が父親由来のDNAと母親由来のDNA両方にあった場合、まったく変異を持たない人と比較して平均して1.8ポイント高くなるということになります。

今回の結論は頭の良さに遺伝子の影響があるか否かということに関して決定的な証拠はありません。しかし、弱いながらも何らかの関連はあるものと考えられます。いったいIQの高低はどの様にして決まるのか非常に気になります。コントロールできるものなら日本を天才の国にしたいものです。

元の論文
Common genetic variants associated with cognitive performance identified using the proxy-phenotype method

細胞の掃除屋さん

皆さんは部屋をきれいにしているでしょうか。日ごろから掃除をしていないとあっという間に汚くなってしまいます。掃除を始めても捨てようかどうか迷っているとぜんぜん終わりません。掃除が必要なのは部屋だけでなく、人の体も同じです。では体内のゴミとそうでないものはどうやって見分けているのでしょうか。今回そんな疑問に対する論文が発表されました。

今回発見されたのはTAM受容体チロシンキナーゼというもの。これにはAxlとMerの2種類があります。この両者は、死んだ細胞の表面に取り付いたタンパク質を認識して、処理するという目印をつけます。ただ、Merは免疫抑制などの正常な条件のもとだけで働き、免疫寛容誘導性受容体として死細胞を除去しています。Axlは炎症誘発刺激によって発現が誘導される免疫応答受容体で、死細胞の除去作業を引き受けていることが明らかになりました。

今回の発見は自己免疫疾患の治療に非常に重要になります。最初に出した部屋の掃除にたとえるなら、Merは自分で掃除しようというもので、Axlはお客さんが来るから掃除をしようという気持ちみたいなものかな?

元の論文
Diversification of TAM receptor tyrosine kinase function

コーヒーのゲノムが解読される

違いの分かる大人が愛飲するドリンクといえばコーヒー。その原料であるコーヒーのゲノムが解明されました。

今回明らかになったコーヒーのゲノムの特徴としては他の植物と比べて、カフェインに関わる遺伝子が大量に存在すること。コーヒーにしか存在しない遺伝子が23個見つかりました。この遺伝子はお茶やチョコレートなどの他の生物が持っているカフェイン関連遺伝子とも違っており、少なくとも2回は進化をした痕跡が見られました。進化するために染色体丸ごとなどのレベルで重複することが良く見られますが、コーヒーはそのような痕跡は見られませんでした。そのため個々の遺伝子の重複により進化して、それにより他の植物には無い特徴を手にしたのではないかと考えられます。

今回の結果は単にコーヒーのゲノムが初めてだっただけでなく、白い乳液を出す植物として、キニーネというマラリアの特効薬を作る植物としても初めてでもありました。そのため、今回の結果はコーヒー業界だけでなく、さまざまな分野で重要なデータとなりうるものです。

元の論文
The coffee genome provides insight into the convergent evolution of caffeine biosynthesis

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

目を見れば痴呆になるかが分かる

目は口ほどにものを言うなんて言葉がありますが、実は他にも痴呆になるかを教えてくれていることが分かりました。

今回明らかになったのは前頭側頭型認知症というタイプの認知症。症状はアルツハイマーににており、性格などが変化します。50-60歳代でよく見られる認知症です。progranulinというタンパク質が欠損すると前頭側頭部の脳細胞の減少しそれによって症状が起きます。内容を簡単に言うと、前頭側頭型認知症の初期の段階で、前頭側頭部に先んじて網膜の細胞が減っていて、網膜が前頭側頭型認知症のサインとなるということ。

脳と目は意外なつながりですね。どちらも神経細胞とはいえ、脳の病気を調べるために目を見ようとはなかなか思わないでしょう。眼科に行って脳の病気のサインを見つけてもらったりするようになるかも?

元の論文
Early retinal neurodegeneration and impaired Ran-mediated nuclear import of TDP-43 in progranulin-deficient FTLD.

ワインづくりとプリオン

情報元
A link between mad cow and winemaking?

私たちが食べるものは、肉やコメのようなもの以外にもお酒や納豆、チーズなどの発酵食品もたくさんあります。そういった意味では発酵というのは今や生活には欠かせないものになっています。困ったことに、ワインやビールを作るためにブドウや麦を発酵させている時に、スタック(stuck fermentationのこと)と呼ばれる、発酵が途中で止まってしまう現象がおきることがあります。発酵が止まってしまえば糖が残ったままになり、飲み物として味が台無しになってしまったりします。これは、酵母がグルコース以外の糖を使い始めてしまい、それにより発酵が止まってしまうもので、ワイン造りの慢性的な問題となっています。今回、発酵がスタックするメカニズムが解明しました。

発酵をさせる為には液中にブドウ糖が存在することが必須で、グルコース抑制という現象を起こす必要があります。グルコース抑制とは他の糖があってもグルコースを優先的に消費し、他の糖など炭素源の代謝にかかわる遺伝子の発現を抑制する現象です。これによりグルコースからアルコールを作ることが可能になっています。しかし、実は酵母は時々[GAR+]というプリオン(高次構造に異常を起こしたタンパク質のことで、感染する。狂牛病などの原因。)を引き起こすシグナルを出していることが判明しました。このプリオンがグルコース抑制を干渉し、他の糖の分解をさせることで、発酵がスタックしていることが判明しました。ちなみにこのようなプリオンを引き起こすのは、長期的に見たときには作られたエタノールにより、自分自身の育成を阻害する可能性があり、生存率を上げるために役立っていると考えられます。筆者曰く、スタックが起き始めた段階ならば、二酸化硫黄を加えてプリオンを引き起こすシグナルを出している菌を殺せばスタックを回避できるかもとのこと。
発酵がスタックするのはプリオンを引き起こすシグナルが放出されるからという話でした。このようにプリオンを引き起こすシグナルは他の細菌でも見られ、発酵食品全般にかかわる問題と言えます。狂牛病とは異なるメカニズムなんだそうですが、狂牛病の原因プリオンはどうやって起きたのでしょうか。

元の論文
Cross-Kingdom Chemical Communication Drives a Heritable, Mutually Beneficial Prion-Based Transformation of Metabolism

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

犬はお互いの鳴き声を聞き分ける

情報元
Dogs glean information from each other's barks

人間の古くからのパートナーといえば犬。例えば狩猟犬や警察犬のようによく訓練された犬は、色々な場面でほえて人間に大切な情報を送ってくれます。では他の普通のペットとして飼われているような犬の鳴き声には重要な情報は含まれているのでしょうか。今回、我々のパートナーの声には情報が含まれており、犬同士でそれを読み取ることが出来ているようだということが報告されました。

今回の研究ではペットとして飼われている犬を対象にしています。実験方法としては対象となる犬となじみのある他の犬の鳴き声と、なじみの無い犬の声を録音し、対象となる犬にこの声を聞かせたときの反応を詳細に観察しました。鳴き声を録音した状況には2種類あって、単独でいたときに何気なく発する声と見知らぬ犬が玄関に来たときに発する声を使いました。見知らぬ犬が来たときの声を聞かせた場合、なじみの無い声の場合はなじみのある声の時よりもより玄関に近いところに、長い時間居ました。しかし、単独のときに発する声の場合は、なじみが無くても家の中にいて、玄関に近寄るような行動はみせず、声の主を聞き分けているだけでなく、声に込められた情報をちゃんと読み取っているのだろうとのこと。

今回は犬同士の反応を調べたのですが、このチームは以前人は犬が寂しい、幸せ、攻撃的だなどの情報を読みとれるという内容の論文を出したことがあるそうです。今後バウリンガルの性能の向上を期待してよいのかな?きっとパートナーとより良い関係が築けることでしょう。

元の論文
More than noise?—Field investigations of intraspecific acoustic communication in dogs (Canis familiaris)

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