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ハエの報酬の思考回路

季節はすっかり秋ですね。
私たち人間は色々な欲を持っており、色々なものが報酬となります。食欲のような避けがたいものや、物欲のようなものでは、報酬の種類が異なり、脳内のドーパミンを放出するニューロンも違います。今回、もっと下等なハエにも複数種類の欲求があり、報酬を得たときの神経回路が異なることが分かりました。

今回実験に用いたハエは、水が十分に得られるところでは、比較的乾燥したところを好みます。しかし、水が足りなくなると捜し求め始めることがわかりました。この行動をとる際、脳内ではドーパミンを放出するニューロンによって起きていました。ただし、砂糖のようなものを報酬とした場合とはことなるニューロンとは別のものでした。

心理学的には報酬を「ほしい(wanting)」、「学ぶ(learning)」、「好み(liking)」の3つに分けることができます。報酬となるものを資源として欲する、報酬の価値を考える、口にあうもの(好きなもの)かという違いです。今回の場合、砂糖と水で異なる神経回路を使っており、この3つを使い分けているものと思われます。実はこういった報酬の回路は哺乳類と似ていて、進化的には昔からあるものであると考えられます。報酬に対する考え方は今も昔も同じってことです。

元の論文
Neural correlates of water reward in thirsty Drosophila
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食物繊維が増えることは熱帯雨林のサルにはよくない

数年前から脂肪の吸収を抑えるトクホコーラが発売され、従来不健康な物の代名詞のような存在だったコーラがトクホを取得したことで大きな話題になりました。なぜ、脂肪が吸収されるかというと、簡単に言えば食物繊維のような物質が加えられており、これが脂肪の吸収を阻害しているというもの。ダイエットに食物繊維は強い味方ですが、現在食物繊維の豊富な食事がサルにとって良くない作用を及ぼす可能性を示した報告がありました。

今回の論文の内容は一部のサルが食べる熱帯雨林の植物の葉の成分を見てみると、以前よりタンパク質が減少し、食物繊維が増えているいう物です。場所はウガンダのキバル・フォレスト国立公園というところで、15年前と30年前のデータと照らし合わせた結果です。サルにとっては高タンパク質、低繊維の食事の方が良く、いわば食事の栄養価が下がっているということです。熱帯雨林は生物の種類は非常に多く、植物の栄養価が下がることで、そこに住む生物の個体数や種類が減ることが考えられます。著者が使ったモデルでは、サルの数が31%減少するだろうとの予測です。

なぜ植物のタンパク質が減少しているのか、原因は不明です。人々は高い栄養価の植物を作り出してきましたが、自然界では真逆の現象が起きています。自然界では栄養価の高い植物は他の生物に狙われやすい分、しっかりと手入れをしなければ育ちにくいというのも真逆の現象が起きる理由かもしれません。もし自分が明らかに栄養を摂りすぎていると思ったら食物繊維の多くなった、栄養価の低い植物を食べてみては?

元の論文
Long term declines in nutritional quality of tropical leaves

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

再生能力は良い能力か

巷ではiPS細胞による再生医療の臨床実験が行われ、失った組織を再生できる夢のような手法であると、非常に高い注目を集めています。人間は四肢が切れたら当然ながら再生はしませんが、動物の中には再生できる生物がいます。それがサンショウウオなどのサラマンダーという種類の動物です。現存する4つ足の動物では唯一高い再生能力を持っていて、完全に肢を再生できます。この再生能力の高さを人に応用できないかという研究などもあるのですが、今回の研究はちょっと違っていて、生物の歴史上、一体いつごろからこのような能力を持ったのかというものです。

サラマンダーは再生能力が高くても、組織がひどく傷付いていると正しく再生できません。同じところを繰り返し切断していると、余計なものがくっついたり、あったはずのものが無いという体の変形が起きます。今回、およそ3億年前の化石からサラマンダーに見られるような変形が見つかりました。その生物はサラマンダー同様両生類で、Micromelerpetonという既に絶滅した種です。

これまで、サラマンダーのような再生能力を持つ生物が、四足の動物では他にいない(四足で無ければプラナリアなどは高い再生能力を持つ)こともあり、この能力は比較的最近見につけたものだと思われてきました。しかし、今回の発見はそれとは違い、少なくとも3億年前には再生能力を身に着けた生物がいたということになります。3億年も前から存在していたにも関わらず、現在高い再生能力を持つ生物がほとんどいないということは、まったく種類が増えなかったり、再生能力を持つ種が進化の競争に打ち勝てずに絶滅したことになります。進化の過程で実際に何が起きたのかは不明ですが、もしかしたらすばらしいと思える再生能力は、何かしらの弊害も同時に抱えているのかもしれません。

元の論文
Early evolution of limb regeneration in tetrapods: evidence from a 300-million-year-old amphibian

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

腕が浮き上がる不思議の科学

情報元
The science of the floating arm trick

突然ですが、ドア枠のところに立って30秒くらい手の外側で枠を押すように力を入れてみてください。その後力を抜いて普通に立っているだけでも、まるで腕が浮き上がるような感覚が得られます(情報元の記事に動画もあります)。これは意識的に筋肉を収縮させつづけたことで、脳が無意識に筋肉を収縮させてしまうことにより起きており、Kohnstamm現象と呼ばれているそうです(Kohnstamm は人名)。さて今回、この無意識の筋収縮を意識的に止めた(ギュッと腕を体にくっつけた)時に脳内ではどのようなことが起きているのかが調べられました。

意識的に無意識の筋収縮を止めている時、どのようにして無意識の筋収縮が止まるかには2つの理論がありました。一つは脳が無意識の腕を持ち上げるという信号が出ると同時に、腕を閉じろという信号を出しているという理論ともっと神経系の上流で腕を持ち上げるシグナルを止めているという理論です。今回、39人の人の協力のもと、Kohnstamm現象が起きているときの脳と筋肉の活動を調べました。そしてどうやら後者が正しいようで、腕を上げる信号は筋肉に届く前にブロックされているということが分かりました。

パーキンソン病などでは無意識に体が動いてしまうことがあるため、無意識の体の動きや神経での制御を理解するというのは、神経関連の病気の理解や対処に重要なことであると言えます。私の場合、気が付くとお菓子に手が伸びてしまいます。これもきっと無意識の筋収縮によるものに違いない。

元の論文
Using voluntary motor commands to inhibit involuntary arm movements

言語獲得の遺伝子

今回新たに乳児で、初期の言語獲得に関わる遺伝子が見つかりました。

子供が言葉を話し始めるのは一般に生後10~15か月からで、24か月程度になると2つ以上の言葉を組み合わせて表現ができるようになります。実はこれまでに双子の研究からこの時期の言語の獲得に遺伝的影響があるようだということが分かっていました。しかし、それがどの遺伝子なのかが不明でした。

今回の実験では乳児を言葉を言語獲得の初期(12~15か月)と後期(24~30か月)に分けました。そして各時期の言語の習熟度とSNPsの関係を調べました。その結果、言語獲得の初期おいてROBO2という遺伝子の近くにあるrs7642482というところの変異と言語の習熟度に有意な差が見られました。一方で、後期では有意な差をもたらすSNPsは見つかりませんでした。

今回の発見から、話す能力の発達と難読症などの言語障害関する理解が深まると期待されます。遺伝的影響と言語習得の関係を示した論文でした。言語習得の初期にしか遺伝的影響がないのなら、私が英語が得意ではないのは遺伝的影響ではないということか・・・。頑張らなくては。

元の論文
Common variation near ​ROBO2 is associated with expressive vocabulary in infancy

2014年度イグノーベル賞受賞者が発表!

今年もイグノーベル賞の受賞者が発表されました。 イグノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞です。ただのアホみたいな研究ではだめで、考えさせるものでなくてはなりません。他にも、皮肉を込めて送られる場合もあります。

今年度の受賞者とその内容は以下の通り。
物理学賞
Kiyoshi Mabuchi, Kensei Tanaka, Daichi Uchijima and Rina Sakai(日本)
人が床に落ちたバナナの皮を踏んだと時の、バナナの皮と靴の間の摩擦とバナナの皮と床の間の摩擦の大きさを計測したことに対して
REFERENCE: "Frictional Coefficient under Banana Skin,"

神経科学賞
Jiangang Liu, Jun Li, Lu Feng, Ling Li, Jie Tian, and Kang Lee(中国、カナダ)
トーストの焦げ跡にキリストの顔を見た人の脳内では何が起こっているか理解しようとしたことに対して
REFERENCE: "Seeing Jesus in Toast: Neural and Behavioral Correlates of Face Pareidolia,"

心理学賞
Peter K. Jonason, Amy Jones, and Minna Lyons(オーストラリア、イギリス、アメリカ)
習慣的に夜遅くまで起きている人々は朝早く起きている人々に比べて、平均してより自己賞賛的で、他人を操り、サイコパシー的であることの証拠を大量に集めたことに対して
REFERENCE: "Creatures of the Night: Chronotypes and the Dark Triad Traits,"

公衆衛生賞
Jaroslav Flegr, Jan Havlíček and Jitka Hanušova-Lindova, and to David Hanauer, Naren Ramakrishnan, Lisa Seyfried(チェコ、日本、アメリカ、インド)
人間が猫を飼うことが精神的に危険かどうか調査したことに関して
REFERENCE: "Changes in personality profile of young women with latent toxoplasmosis," REFERENCE: "Decreased level of psychobiological factor novelty seeking and lower intelligence in men latently infected with the protozoan parasite Toxoplasma gondii Dopamine, a missing link between schizophrenia and toxoplasmosis?"
REFERENCE: "Describing the Relationship between Cat Bites and Human Depression Using Data from an Electronic Health Record,"

生物学賞
Vlastimil Hart, Petra Nováková, Erich Pascal Malkemper, Sabine Begall, Vladimír Hanzal, Miloš Ježek, Tomáš Kušta, Veronika Němcová, Jana Adámková, Kateřina Benediktová, Jaroslav Červený and Hynek Burda,(チェコ、ドイツ、ザンビア)
犬は排便排尿の際に、体の軸を地球の南北方向の地磁気に沿わせるのを好むということを注意深く記録したことに対して
REFERENCE: "Dogs are sensitive to small variations of the Earth's magnetic field,"

芸術賞
Marina de Tommaso, Michele Sardaro, and Paolo Livrea(イタリア)
(手に)強力なレーザーを照射されると、醜い絵を見ていた人は、かわいい絵を見ていた人よりも比較的強い痛みを感じたことを計測したことに対して
REFERENCE: "Aesthetic value of paintings affects pain thresholds,"

経済学賞
ISTAT — the Italian government's National Institute of Statistics,(イタリア)
売春、違法薬物の密売、密輸、その他自発的参加者間の違法な金融取引を加えることで国の経済の公式な大きさを増加させ、EUの財政基準を満たそうという動きを誇り高く先導したことに対して
REFERENCE: "Cambia il Sistema europeo dei conti nazionali e regionali - Sec2010",
REFERENCE: "European System of National and Regional Accounts (ESA 2010),"

医学賞
Ian Humphreys, Sonal Saraiya, Walter Belenky and James Dworkin, (アメリカ、インド)
塩漬けした豚肉で鼻をふさぐという方法を使う、止まらない鼻血の治療に対して
REFERENCE: "Nasal Packing With Strips of Cured Pork as Treatment for Uncontrollable Epistaxis in a Patient with Glanzmann Thrombasthenia,"

北極科学賞
Eigil Reimers and Sindre Eftestøl,(ノルウェー、ドイツ)
ホッキョクグマに変装した人をみたトナカイの反応を調べたことに対して
REFERENCE: "Response Behaviors of Svalbard Reindeer towards Humans and Humans Disguised as Polar Bears on Edgeøya,

栄養学賞
Raquel Rubio, Anna Jofré, Belén Martín, Teresa Aymerich, and Margarita Garriga(スペイン、今回の受賞者はセレモニーに出席できないので代わりにビデオを通してスピーチの予定)
彼らの「発酵ソーセージのためのプロバイオティクスの種菌として利用できうる幼児のうんちから単離した乳酸菌の特徴」という 論文に対して
REFERENCE: "Characterization of Lactic Acid Bacteria Isolated from Infant Faeces as Potential Probiotic Starter Cultures for Fermented Sausages."
*賞の名前、受賞者(カッコ内は受賞者の国籍、太字は24日に行われるセレモニーに参加する予定の人)、授賞理由、授賞の対象となった論文等。

ちなみにこの賞はノーベル賞と異なり、受賞者が不快に思う場合もあるため、あらかじめ受賞者にコンタクトを取り、受賞するかどうか聞くんだとか。もちろん今回の経済学賞のように皮肉交じりに授賞する場合は一方的にやってると思います。セレモニーでも受賞者のスピーチは60秒間だけなどいろいろユニークなことをやっているみたいです。

情報元
http://www.improbable.com/ig/winners/

テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

寝ている間も脳はお仕事中!

睡眠をとることは心と体に非常に重要です。眠ることで体はゆっくりと休まりますが、脳は寝ているときでも活発に働いています。夢を見たり、記憶の整理をしたり、などです。昔は寝ていると脳は外部の刺激をシャットアウトしていると思われていたのですが、最近になって寝ているときでも匂いなどの周りの環境の刺激を処理しているようだということが分かってきました。しかしながら、言語などの高次の処理については不明でした。今回、新たにヒトの脳は寝ているときでも言葉を認識、理解することが分かりました。

今回の実験では被験者には起きている間に動物の名前あるいは物の名前を聞いてもらい(例えばcatやhat)、動物の名前なら左のボタンを、物の名前なら右のボタンを押してもらうというような簡単なゲームをしてもらいました。動物と物の名前の他にも、意味のある言葉か、無意味の言葉の羅列か(例えばhammerとfabuなど)を判断してもらうということをしました。被験者はこのゲームに慣れて来たところで、そのまま続けても良いし、その場で寝てても良いと言われます。眠りに入っても言葉は流れ続けます。そしてそのまま眠りに入った後の脳の運動野での反応を観察しました。当然寝ているときはボタンは押さないですが、脳の活動を見ていると、押そうと反応していることが分かりました。しかも、右を押すべきか左を押すべきかをきちんと判別していました。

ちなみに起きているときに聞いた言葉は覚えているのに、寝ているときに聞いた言葉は覚えていなかったそうなので、寝ながら物を覚えるという、いわゆる睡眠学習はむずかしいかもしれません。他にも寝ている間にどんなタスクがこなせるのか興味深いです。

元の論文
Inducing Task-Relevant Responses to Speech in the Sleeping Brain

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腸内細菌はワクチンの効果にも重要

腸内細菌が免疫において非常に重要なことは良く知られていますが、ワクチン接種に対する免疫応答にもかかわっていることが明らかになりました。

人の場合、インフルエンザウイルスに対する予防接種をするとTLR5というタンパク質の発現が増加します。TLR5は長官において特定の種のバクテリアの検出するセンサーとして働きます。このタンパク質と腸内細菌が予防接種による免疫応答にどの様な反応を示すかを調べるため、TLR5ノックアウトマウスに対し、ワクチンを打ちました。まず、TLR5ノックアウトマウスはワクチンを打っても生産される抗体が少ないということが分かりました。これは宿主(この場合はマウス)の腸内細菌を検出するセンサーであるTLR5が働かなくなってしまったからと考えられます。さらに無菌環境で育ったマウスや、大量に抗生物質を与えて、腸内細菌を死滅させたたマウス抗体の生産が減ることが分かりました。ただ、この場合はTLR5が検出できるバクテリアを投与すると、抗体の生産量は元に戻ることが分かりました。同様の効果が不活化したポリオワクチンでも見られましたが、アジュバント(抗原性補強剤)や弱毒化した黄熱病ワクチンではこのような現象は見られませんでした。

少なくともインフルエンザの場合、TLR5を介した腸内細菌とのやり取りが予防接種の効果を決める上で重要であることが分かりました。これから寒くなる季節なので、インフルエンザの予防接種を受ける人もいるかと思いますが、抗生物質は使わずに、腸内細菌を十分に育ててから予防接種を受けましょう。

元の論文
TLR5-Mediated Sensing of Gut Microbiota Is Necessary for Antibody Responses to Seasonal Influenza Vaccination

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

人工脾臓で体のクリーニング

抗生物質のおかげもあり、最近では減少傾向にあるものの、敗血症は今でも多くの人がなくなる重篤な病気です。敗血症は簡単に言えば細菌の感染が全身に広がってしまった病気で、これに罹ってしまうと多臓器不全などを引き起こし、死亡するリスクが非常に高い病気です。今回、新たな治療法となりうる装置が開発されました。

今回の方法としては脾臓を模して血液内のバクテリアや毒をろ過しようという物。(脾臓の主な機能は免疫で、免疫細胞の成熟化やバクテリアのろ過などを行っています。ただ、脾臓の機能は他の臓器が代替できるため、脾臓がなくても死にません。)今回はマンノース結合レクチンに磁気ビーズをくっつけたものを利用しました。レクチンは糖鎖と結合できる力があり、体内でも病原菌にくっつき、病原菌と闘うのを助けていたりします。そこでテストチューブ中でレクチンによって病原菌を捕まえ、磁気ビーズによって回収し、きれいになった血液を体内に戻すという方法をとりました。最初に、細菌によって汚染された人の血液に対して試してみると、約90%のバクテリアが除去できていました。次にレクチンを利用し、ろ過装置のようにしたチップをつくりました。敗血症モデルラットを使い、血液をこのチップに循環させたところ、1時間以内に90%のバクテリアをラットの血液から除去できました。組成にも目立った反応はなく、血液の凝固も起きなかったことから安全に利用できそうだとのことです。

良い方法ではありますが、現時点ではすべての細菌をとらえることができるわけではないため、病原菌の種類によっては効かない場合もあるようです。しかし、それでもレクチン等を工夫すれば改善できるだろうし、耐性菌に対しても有効である可能性があるため、抗生物質が効かない場合に良い治療法となるのではないかと思います。

元の論文
An extracorporeal blood-cleansing device for sepsis therapy

人間の体に住むバクテリアは抗生物質の宝庫

これまで、抗生物質は多くに人の命を救ってきました。しかし、耐性菌の出現などもあり、新しい抗生物質の需要は常にあります。新しい抗生物質を見つけ、製造するというのはなかなか難しいものです。今回、体に住む菌類のDNAを調べたところ、抗生物質を作るのにかかわると思われる遺伝子が大量に見つかりました。

今回は既知の薬として働く物質を作るのにかかわる遺伝子を見つける機械学習アルゴリズムを作りました。このアルゴリズムをヒトマイクバイオームプロジェクトのデータに適用し、候補遺伝子3,118個を見つけました。その中には現在臨床研究段階にあるチオペプチドと呼ばれるクラスの抗生物質にかかわる遺伝子が多く存在していました。今回見つかったチオペプチドの中で、膣内に存在するバクテリアが多く有するラクトシリンという化合物に、抗生物質としての作用があることが判明しました。

どんな生物であっても他の生物に対して対抗する手段を持ちます。その方法の一つとして抗生物質を合成していてもなんら不思議はありません。世界中の極地に住む生物がもつ特殊な酵素を探す人がいるように、抗生物質を生産するバクテリアを探すのも良い手かもしれません。人の体だけでなく、他の生物の体に住む菌はたくさんいますし、抗生物質を生産しているかもしれません。

元の論文
A Systematic Analysis of Biosynthetic Gene Clusters in the Human Microbiome Reveals a Common Family of Antibiotics
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