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体内リズムの起源

ご存じのとおり、私たちには体内時計が備わっており、それによって活動するあるいは休むのに適したタイミングが決まってきます。脊椎動物の場合、このタイミングは直接的にはホルモンがコントロールしています。今回、実は動物プランクトンの夜間の行動がホルモンによって制御されているようだということが分かりました。

人の体内で体内時計をコントロールしているホルモンはメラトニンという物質です。しかし、メラトニンが無脊椎動物にどのような影響を与えるかは不明でした。今回はPlatynereis dumeriliiという動物プランクトンを対象に研究しました。このプランクトンは一日に何度か水中を上に下に動いたりします。今回分かったこととして、このプランクトンの幼生は脳内でメラトニンを、特に夜にその合成が強化されていました。このようなリズムは脳の活性を促進し、代わりに泳がなくなるために徐々に下へ移動しているということが明らかになりました。

今回の結果から推測されるに、このプランクトンは夜寝ていて、そのタイミングはメラトニンで制御されていると考えられます。人でも夜間にメラトニンが多くなるため、プランクトンと似たような作用機構であると思われます。メラトニンは非常に多くの生物で作られていますが、最初はメラトニンは抗酸化作用があるため、細胞の保護のために作られていたものと考えられています。現在のところ、体内時計を持つ生物で、最も進化的に古い生物がこのプランクトンであり、プランクトンが誕生したころに初めて細胞の保護物質であったメラトニンを体内時計のコントローラーとして使いを持ち始めた生物ではないかと思われます。

あと個人的にはプランクトンのような下等な生物でさえも体内時計を持っているということは、それだけ生命にとって大切なものである可能性が高く、無理してリズムを乱すようなことをするべきではないと思う。病院とかは夜間も稼働する必要があるかもしれないけど、コンビニとかは深夜は営業しないほうが従業員と顧客のためになるんじゃないかと思ったりする。
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(Platynereis dumeriliiってこんな生物。)

元の論文
Melatonin Signaling Controls Circadian Swimming Behavior in Marine Zooplankton
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テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

現在日本人の死亡原因のトップはがんによるもので、今後もその割合は増えていくと予想されています。ガンは治る場合もありますが、治らなかったり、再発する場合も少なくありません。特にすい臓がんは治療が難しく、死に至る場合が多いです。その原因がPancreatic stellate cells (PaSCs)という細胞が腫瘍細胞が育ちやすく、薬に対して耐性を持ちやすい環境を作っているからだといわれています。今回、ビタミンDによりPaSCsが腫瘍を育ちやすい環境を作れなくなり、すい臓ガンの治療がもっと効果的になることが分かりました。

PaSCsには活性化状態と安定状態の2つがあり、活性化状態のPaSCsが腫瘍を形成しやすい環境を作っています。今回の研究により、すい臓の腫瘍細胞がビタミンD受容体遺伝子を発現しており、ビタミンDの投与によって炎症等に関わる遺伝子の発現が大きく減りました。さらにビタミンD受容体はPaSCsの安定状態のマスター制御因子であることが分かりました。 そこでビタミンDを抗がん剤と組み合わせると、抗がん剤のみと比べて腫瘍も小さくなり、治った人の割合も増えたそうです。

もちろんビタミンDをとるだけでガンが治るわけではありませんし、どのくらいの量を投与すればよいか、抗がん剤の組み合わせによっては良くない場合も考えられ、まだまだデータが必要ではあると思います。ちなみに活性化状態のPaSCsは傷ついた細胞の治療などにも重要であり、常に静止状態にしておけばよいという物でもないということを指摘しておきます。

元の論文
Vitamin D Receptor-Mediated Stromal Reprogramming Suppresses Pancreatitis and Enhances Pancreatic Cancer Therapy
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