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ガンのワクチンは作れるか

人用のガンのワクチンを作製することに成功したという報告がありました。

手法はガンで見られる変異タンパク質を抗原として、ワクチンを作製します。ガンワクチンを作製しようという試みは昔からありましたが、あまりうまくいっていませんでした。これまではガンで多く発現するタンパク質を抗原として作製していたため、正常細胞でも少し発現しているというのが問題になっていました。近年ガンのゲノムシーケンスのデータが集められ、ガンでよく見られる変異が分かってきました。そのため、変異タンパク質を抗原として、ワクチンを作製できるようになったわけです。変異タンパク質ならば正常細胞には存在しないため、良い結果が得られるだろうと期待されます。ワクチンの作製方法としては、患者から白血球を取り出し、抗原提示細胞である樹状細胞を作り出しました。その細胞に変異タンパク質を曝し、成熟させた後に体内に戻すことで、同一の抗原がきたときに免疫細胞にその情報を提示できるようにしています。昨年の段階でマウスで成功しており、今回はメラノーマ患者に対して行ったものです。

まだ、ほんの数人に対して行ったものに過ぎず、実際に臨床で応用するには超えなければいけない壁はたくさんあります。しかしうまくいけば、変異のタイプに応じた個別化医療も可能になるでしょう。

元の論文
A dendritic cell vaccine increases the breadth and diversity of melanoma neoantigen-specific T cells
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DNAのメチル化が男女の脳の差を決めている

以前、このブログで学位取得者に男女差があることに触れました。問題はなぜそのような違いが起きるかです。今回、生まれる前と後の間に、メスのラットの脳では正常な発生のために鍵となる雄性関連遺伝子のサイレンシング(遺伝子の発現抑制)を積極的に行っていることが明らかになりました。

脳の特定の領域、例えば視索前野(交尾行動のある側面を調節する脳領域)には、遺伝子発現等で雌雄差が大きいことがあります。胎児の発達段階で、精巣由来のホルモン(男性ホルモン)にさらされると、メスの脳であっても多数の雄性関連遺伝子が発現するなど脳には雄らしい特徴が誘導されます。これらの遺伝子が雄でのみ発現し、雌ではサイレンシングされる仕組みは不明でした。
今回、視索前野を観察し、雄性関連遺伝子のDNAメチル化により、雄性関連遺伝子のサイレンシングされていることが分かりました。DNAメチルトランスフェラーゼの阻害剤やコンディショナルノックアウトを行うと、雄のラットのような振る舞いをし、遺伝子発現も似ることが分かりました。

今回はラットの結果ですが、同じような制御が人でもあると予想されます。草食系男子なんて呼ばれる人がいますが、彼らは生まれるころに脳のDNAのメチル化が阻害されたのでしょうか。

元の論文
Brain feminization requires active repression of masculinization via DNA methylation
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