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抗トリパノゾーマ薬で自閉症が治るかも

情報元
Century-old drug reverses signs of autism in mice

以前ツェツェバエのゲノムが解読されたときに少し紹介しましたが、眠り病というトリパノゾーマが引き起こす病気があります。その治療薬として100年近く前にスラミンという薬が作られました。ただし、病原虫が中枢神経に移行する前で、かつ非経口投与でなければならないという制限があり、完全に眠り病を治せるというわけではありません。今回、このスラミンという薬で自閉症様の症状を見せるマウスを治せたという報告がありました。一度投与すれば完全に治るというわけではないようですが、大人になったマウスでも効果があったそうです。

自閉症の症状は簡単に言えば極度のコミュニケーション障害で、シナプスで信号が大量に押し寄せていて、適切な情報処理ができていないためとされています。今回は抗トリパノソーマ薬として知られるスラミンを自閉症のモデルマウスに投与する実験を行いました。(なぜスラミンを投与しようと思ったかは長くなるので割愛。情報元のサイトに詳しく書かれています。)
スラミンを腹腔内に20 mg kg−1 で生後6か月(人でいえば30歳くらい)のマウスに投与しました。すると、それまでに見られていた行動異常が収まりました。その後、スラミンを洗い流し5週間後の行動を観察してみたところ、多少良い状態ではありましたが、行動動異常が増えていました。次にスラミンが体内でどこに蓄積するかを調べると、血液と脳幹にみられ、大脳には見られませんでした。神経系でのスラミンの半減期が約1週間であり、マウスの行動異常が戻ったのがそのためだろうとのこと。スラミンはプリン拮抗薬であることから、メタボリズムも調べました。すると、メタボリズムも正常なマウスに近い状態になっていました。今回のモデルマウスでは特にプリン代謝経路が重要で、スラミン投与によって、18個あるプリン代謝経路のうち17個で正常な状態に近づいていたことも明らかになりました。

人とマウスは違うし、スラミンの長期の投与は貧血症を引き起こすとのことで、そのまま自閉症患者の治療に使うのが良いとは言えない部分があるそうです。しかし、プリン代謝経路が重要であることが分かったことで、どこか特定のプリン代謝経路を阻害する薬ができれば、副作用が少なく効果的な薬が開発できるのではないかと思います。

元の論文
Reversal of autism-like behaviors and metabolism in adult mice with single-dose antipurinergic therapy
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テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

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