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No.9 ルテニウムで二酸化炭素の有効利用

今回の論文
Ruthenium-catalysed alkoxycarbonylation of alkenes with carbon dioxide
Lipeng Wu, Qiang Liu, Ivana Fleischer, Ralf Jackstell & Matthias Beller
Nature Communications 5, Article number: 3091

簡単に言うと、
ルテニウムを使って二酸化炭素を化学製品の作製に使えるようにしましたという内容。

背景として、
今回はエステルの合成に注目。エステルはR-COO-R’という結合のことで洗剤など様々なところに使われている。一般に、エステルの合成には一酸化炭素(CO)が使われていたのだが、これは人体にとって有害な物質であり、引火性もあって危険である。実際、バイエルというドイツの会社が一酸化炭素のパイプラインを作ろうとしたところ、地域住民の反対にあい、作るのを断念したという例もある。なので、代わりに二酸化炭素を使えないかと考えた。今回ルテニウム(ドデカカルボニル三ルテニウム)という入手しやすい元素があり、これで触媒させると、二酸化炭素を一酸化炭素の変わりに使え、しかも性能も良かった。なので今後エステル製品が安く安全に作れるようになるというニュース。

具体的には、
様々なアルケンのカルボニル化反応を高温、高圧下でルテニウムを触媒とし、CO2とアルコール溶媒を混ぜた状態で行ったところ、還元剤なしでも高い収率が得られた。様々な条件で試してみたが、収率が53-91%と非常に高く、様々なアルケンに適用できた。
コントロール実験としてアルケンなしで同様の実験を行った。すると、CO2とメタノールからCO、水素、メチルフォルメ-トが合成されていた。つまり、その場でCO2からCOを作り出すことでエステル化が出来たということが明らかになった。念のためアイソトープを用いた実験でカルボニル基の炭素がCO2由来であることも確認している。


個人的には、
安定な構造をしている二酸化炭素が簡単に利用できるようになったのがポイント。化学は詳しくないけど、C1ソースとして二酸化炭素の利用が進むならデメリットも少ない、良い話じゃないかと思う。特にCO2の排出に対してうるさい人達もたくさんいるだろうし。
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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