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チベット人がデニソワ人から受け継いだもの

情報元
Tibetans inherited high-altitude gene from ancient human

ここ最近、チベットの化石や生物の研究から、進化的に興味深い結果が報告されていて、このブログでもホッキョクギツネツキノワグマとホッキョクグマの関連について触れてきました。今回はなぜチベットのような高地で暮らしていけるのかという秘密を調べた研究成果が報告されました。実は2010年にチベットの高地にすむ人たちはEPAS-1という、赤血球の生産にかかわる遺伝子の変異体を有しているという報告がされていました。(たかだか3000年の間でチベットの40%の人に広がっており、ヒトの遺伝子の広がり方としては驚異的な速度です。)

今回はチベットの人たちとその近くに住む漢民族の人たちのゲノムシーケンスを行いました。この人たちはもとは共通の祖先がいたのですが、2750年-5500年前位に2つのグループに分かれたと考えられています。漢民族の人たち40人中2人だけがEPAS-1の変異体を持っていました。ちなみにこのような変異を持っている人がいるか1000人ゲノムプロジェクトの結果と比較してみましたが、他には一人もいなかったそうです。ではチベットの人たちのEPAS-1遺伝子変異体はいつ、だれがもたらしたものでしょうか。これまでにネアンデルタール人やでデニソワ人といったすでに絶滅した人たちのゲノムが読まれた例があるので、それと比較してみました。すると、チベットの人たちのEPAS-1はデニソワ人に非常に近いものでした。これはチベット人の祖先がデニソワ人と交配し、その子の遺伝子が現代のチベット人に受け継がれていると考えられ、コンピューターモデルもこれを支持しています。デニソワ人のゲノムは現代人よりもネアンデルタール人に近く、アジアのもっと広域に住んでいたと考えられています。しかし、パプアニューギニア(パプアニューギニア人のゲノムの5%がデニソワ人由来)などではEPAS-1遺伝子変異体はみられず、高地への順応は不要であったため消えていったようです。

同じ人間でもいろいろ違う部分がたくさんあります。日本人は他の地域と比べて他の民族の遺伝子が少ないですが、国内の地域によっても独自に進化した痕跡が見られるのではないでしょうか。私たちはいったいどこから来て、どこへ行くのでしょうか。チベット人はEPAS-1変異体のおかげで低酸素状態に耐性があるのならば、マラソンさせたらすごい早いのか?と、どうでもよいことまで考えてしまいます。

元の論文
Altitude adaptation in Tibetans caused by introgression of Denisovan-like DNA
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