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ミセルによるドラッグデリバリーの危険性

情報元
Nanoparticles may harm the brain

近年、家電製品、洗剤、化粧品など様々なものにナノという言葉が付けられます。ナノ粒子はその名の通りナノレベルのサイズの粒子で、量子ドットやように金属からなる比較的新しいものやミセルのように昔から知られている有機物からなるものも含みます。近年、このナノ粒子をドラッグデリバリーに使えないかという研究が行われています。ドラッグデリバリーは標的とする病変組織にだけ薬を届けることで副作用を最小限にしようという手法です。特に脳は重要で、脳と血管の間には関門がありどんな分子でも脳に行くというわけではありません。そのため、脳の病気に有効な薬ができたとしても、作用しない可能性があるのです。ミセルとは、疎水性の部分と親水性の部分がある分子が疎水性の部分を内側にして集合している分子の集合体です。このミセルに薬をくっつけ、さらに組成や電荷を変えることで目的の組織にだけ取り込ませるという研究が行われています。しかし、そもそもこのナノ粒子が本当に安全なのかというのは不明でした。今回安全性を評価する実験が行われ、脳に取り込まれた場合、有害であることが示唆されました。

今回は2種類のミセルを使っており、表面が正の電荷を有しているものと負の電荷をもっているものを使いました。薬は付けていません。これをラットに注射し、1週間後の脳を調べました。結果、正の電荷を帯びたミセルでは5匹中3匹のラットの脳に障害が見つかりました。負の電荷を帯びたミセルは異常は見られませんでした。細胞は弱く負の電荷を帯びており、正の電荷をもったミセルは細胞にくっつき、電荷等を変化させてしまうためこのような結果になったと考えられます。

過去の研究では、細胞との反発はあるものの、負の電荷を帯びたミセルも細胞内に入ることができるそうです。今回の実験では2種類しか使っていないので、本当に電荷が原因か不明なところがあります。ポリマーの種類や濃度によっては問題ないのかもしれません。負の電荷のミセルも、問題ないように見えて何かしらの影響がある可能性ももちろんあります。やっぱりドラッグデリバリーって簡単にはいかないね。
二重層・リポソーム・ミセル
(画像右上がミセル。内側が疎水性で、外側が親水性。画像はwikimediaより。)
元の論文
Differential toxicological response to positively and negatively charged nanoparticles in the rat brain
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テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

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