スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ハエの聴覚を応用した音検出器

久しぶりに物理・工学的な話を一つ。

ヤドリバエ(Ormia ochracea)という体長1cm程度のハエがいるのですが、このハエは日本で見るようなハエとはちょっと違っていて、他の生物に寄生するという特徴があります。その相手はコオロギなのですが、ご存知の通りコオロギは夜になると鳴きます。このハエはその音のする位置を正確に捉え、自分の寄生先を探し出すという方法をとっています。今回、このハエの音の検知システムを利用した装置が作られました。

人間の場合、音を聞くと、2つある耳に届く時間の差から音源の位置を推測しています。ですがこのハエの場合、体が非常に小さいため、2つの耳に音が届くタイミングはほぼ一緒になってしまいます。このハエの耳は非常に特殊で、一方の耳に音が入ってくると、反対側の耳は位相が180度反転した状態で振動します。これにより、両耳に届くごくわずかな時間差を増幅し、位置の特定が出来るようになっています(あまり理解できてない)。今回はこの耳のシステムをシリコンで再現し、非常に感受性の高い補聴器を作ることに成功しました。

実はこの研究の資金源はアメリカの国防高等研究計画局というところで、軍事応用技術を研究するところです。この技術を用いて銃などの発砲音から敵の位置を正確に知ることが出来るようになるだろうとのことです。戦争なんてせずにすむならそれが一番ですから、出来ればこういった技術を軍事応用する必要が無い世界になってほしいものです。ちなみにここ10年くらいの間にハワイではコオロギがあまり鳴かなくなったそうで、その原因がこのヤドリバエのせいなんだとか。ヤドリバエはアメリカにいるハエですが、以前はハワイにはおらず、比較的最近になって入ってきた生物です。コオロギは交尾相手を探すために無くのですが、自分の身をヤドリバエから守るために泣かないようにしているそうです。虫の世界も戦争中ってことですかね。

元の論文
Sound source localization inspired by the ears of the Ormia ochracea
スポンサーサイト

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。