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飢餓の遺伝メカニズム

みなさんは普段から栄養のあるものをバランスよく食べてますか?私たちが何を食べるかは自分の健康だけでなく、子供たちにも大きく影響を与えます。例えば以前妊娠期に飢餓状態になると次の世代は太りやすくなるなど様々な影響を与えます。食事の影響は妊娠期に限らず、それ以外の時期でも次世代に影響する可能性があります。今回、妊娠期以外でも実際に遺伝しており、small RNAによるコントロールが行われていることが示されました。

今回の実験では、線虫を発生初期のころに、6日間飢餓状態にし、その後通常の食事に戻して子孫を作らせていき、孫の代まで追いかけていきました。そして飢餓を経験した線虫とその孫世代の線虫のsmall RNAを取り出し、発現を調べていきました。コントロールと比較して飢餓により発達阻害も起きていましたが、通常よりも大量のsmall RNAが生産されており、少なくても3世代は遺伝し、同じ状態が続いていました。この内在性の、遺伝可能なsmall RNAは遺伝子のアンチセンスであり、遺伝子発現を減少させていました。ターゲットとなる遺伝子のオントロジーとしては栄養にかかわるものでした。このようなsmall RNAによる遺伝子発現制御により、次世代に栄養不足状態の効果を与えるていました。栄養飢餓をすると線虫の寿命が延びることが知られています。同様の効果が第3世代にも見られ、飢餓を経験した線虫の子供は通常の食事を与えられていても寿命が長くなっていました。

以前、マウスでトラウマがsmall RNAを介して遺伝していくという話をしました。これまで世代を超えたエピジェネティクスの研究はおもにDNAのメチル化に注目が集まることが多かったですが、DNAのメチル化だけでは世代を超えたエピゲノムの遺伝は説明できていません。もしかしたらメタボなどのエピジェネテッィクな世代を超えた遺伝でもsmall RNAが重要なのかもしれません。おそらく精子や卵子内の遺伝物質としてのsmall RNAの研究が今後盛んになるのではないでしょうか。このようなエピゲノムの変化も広義には進化の産物といえるかもしれません。

元の論文
Starvation-Induced Transgenerational Inheritance of Small RNAs in C. elegans
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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