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鼻の汁からクロイツフェルト・ヤコブ病を知る

クロイツフェルト・ヤコブ病という病気をご存知でしょうか。この病気は人間版狂牛病ともいえるプリオンによって引き起こされる病気です。感染性の病気ではあるものの、原因は細菌やウイルスでは無く、おかしな折りたたまれ方をしたプリオンと呼ばれるタンパク質が次々のほかのタンパク質の構造を変えてしまい、どんどん広がっていく病気です。症状としては最初はなんとなくだるいといったところから始まり、記憶障害等が見られ、一年程度でどうにも施しようがなくなります。いまだ治療法はありません。今回、簡便な早期診断方法が報告されました。

これまでの方法は脊椎穿刺にて得た溶液を正常な形のプリオンタンパクの溶液にいれるというものです。もしも感染していれば、不溶性のねばねばしたアミロイド鎖が出来上がります。この方法はアルツハイマーの診断等にも役立つかもと期待されてはいますが、脊椎穿刺はかなりの痛みを伴い、さらに10~20%程度の検出ミスがあります。一方、今回の手法は細長いカメラを嗅覚神経のある鼻腔に突っ込んでちょこっとだけ神経をとってきて同じように正常なプリオン溶液にいれるという方法です。この領域は脳にダイレクトにつながっており、脊椎穿刺で得る脳脊髄液よりも感染したプリオンが大量にいるはずです。今回の方法を既知の31人のクロイツフェルト・ヤコブ病患者と44人の正常な人に対して行いました。正確に検出できたのはこれまでの骨髄穿刺では77%程度にとどまるのに対し、今回の方法は97%(一人だけ検出できなかった)と非常に正確性が高い方法でした。

今回の方法は当然ながら治療法ではないので、クロイツフェルト・ヤコブ病が治るようになったわけではありません。しかし、患者の数が少なく、アルツハイマーと似た症状を示すため、誤診されることも多いため、感染を広げないという予防医学的な観点から重要です。また、アルツハイマーの診断にも使えるようになるかもしれません。

元の論文
A Test for Creutzfeldt–Jakob Disease Using Nasal Brushings
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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