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前立腺ガンのパラドクス

テストステロン、いわゆる男性ホルモンは前立腺ガンの成長を促進すると言われています。にもかかわらず、一部の患者でテストステロンが治療できないレベルの前立腺ガンの進行を止めたという報告がありました。

前立腺ガン患者ではテストステロンが上昇し、ガン細胞が増殖しやすいことが昔から知られていました。そのため、一般的に、化学的な去勢により、テストステロンの生産を抑制します。すると、最初は良いのですが、そのうち耐性ができてしまい、効果がなくなってしまいます。今回はこのような耐性ができてしまった患者16人を対象に実験を行いました。もうすでにガンが転移して、手遅れなレベルの患者です。今回は化学的な去勢を行う薬を投与しつつ、テストステロンを28日ごとに注射したそうです。最初は通常よりも高レベルのテストステロンが血液中に見られますが、時間と共に低くなっていきます。このようなテストステロンレベルの変動を繰り返しました。16人中2人は副作用のため中断し、残りの14人の半分人では前立腺ガンの進行は止まりませんでしたが、半分では転移したがん細胞も含め、腫瘍組織が縮小していき一人は完全に治ったそうです。しかし、時間と共にその効果は薄れていき、7か月後から再度ガンの増殖がはじまったそうです。

なぜ、患者によって差が出るかは今のところ謎です。個人の遺伝的なものなのか、ガンの変異のタイプによるものなのかもわからないですし、正確な作用機序もわかっていません。同じものが患者にとって薬にも毒にもなるということで、医者や患者にとってはこの治療をするのはリスクが伴いそう。副作用もあるみたいですし、もう手遅れだけど、どうしてもという患者さんがいない限りなかなかできない方法なので、この方法が確立するまでには少し時間がかかるかもしれませんね。

元の論文
Effect of bipolar androgen therapy for asymptomatic men with castration-resistant prostate cancer: Results from a pilot clinical study
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