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ニジマスとツェツェバエのゲノムが明らかに

今週、ニジマスのゲノムとツェツェバエのゲノムが明らかとなりました。ニジマスはゲノムの進化を考えるうえで、ツェツェバエは医学的に重要なデータとなりそうです。

ニジマスのゲノム
釣って楽しい、食べておいしいニジマスですが、生物学的には非常にユニークな側面を持っています。ニジマスは約1億年前に染色体の数が突然2倍になったことで誕生したといわれています。1億年という時間は長いようですが、進化の観点からは比較的最近のことです。そのため、ニジマスのゲノムDNAの配列を調べれば、染色体が倍化が起きた後、最初にゲノムにどのような変化がおきたかを追えるわけです。ちなみにゲノムの倍化は動物ではほとんどみられませんが、脊椎動物では割とある話なのですが、ゲノムがわかっている倍化した生物はいずれも大昔に倍化した物ばかりでした。

こんな背景があって、今回ニジマスのゲノムを調べました。ゲノムが倍化したため、その直後は各遺伝子とも2つあったわけですが、タンパク質コード遺伝子のほどんどは偽遺伝子化して、すでに失われているそうです。しかし、miRNAは未だ2コピーずつ残っていて、また、胚の発生とシナプスの発生と機能に関わる遺伝子が選択的に保持されていたそうです。そんなわけで遺伝子の進化は結構ゆっくりした物であるようだとのことです。

ツェツェバエのゲノム
ツェツェバエはトリパノソーマという原虫を媒介しており、トリパノソーマに感染すると眠り病という、睡眠のサイクルが乱れ、意識が朦朧とし、最終的には昏睡、死に至る病気になります。おもにアフリカでこの病気は見られます。トリパノソーマは人の免疫機構を回避する特殊なシステムがあり、ワクチンによる予防ができず、ツェツェバエに刺されないことが最も良い予防方法であり、その意味でツェツェバエのことをよく知る必要があります。ツェツェバエは他の病気を媒介する生物と違い、微生物と共生関係にある、胎生生殖である、授乳をするなどの性質があります。

シーケンスの結果、ショウジョウバエに似た部分は多くあるものの、ゲノムサイズが約2倍ありイントロンや遺伝子間の領域が長いことからレトロトランスポゾンによる進化があったのだろうとのこと。ちなみに遺伝子数はショウジョウバエよりもちょっと少ないぐらい。特徴的なこととして、バルボキアという微生物のゲノムが組み込まれていること、授乳に関するタンパク質群があること、化学物質センター(嗅覚)に関する遺伝子が少ないことなどがあげられる。もっと細かく、多くのことが書かれているので興味のある人は元の論文を見ていただきたい。

眠り病予防にするには単純にツェツェバエの個体数を減らすという方法が考えられます。授乳に関連するタンパク質群がみつかったので、ここをコントロールするというのが一つの手立てでしょうか。生態系への影響が多少心配ではありますが。

元の論文
The rainbow trout genome provides novel insights into evolution after whole-genome duplication in vertebrates
Genome sequence of the tsetse fly (Glossina morsitans): vector of African trypanosomiasis
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テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

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