スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ひょうたんの中の血はルイ16世の物ではなかった

srep04666-f1.jpg
(image and copyright by Davide Pettener).

歴史好きの方には少し残念なお知らせです。
2010年にフランス革命のころのものと思われるひょうたんの入れ物が見つかりました。そしてそこにルイ16世(1754–1793)が処刑されたときの血が付いたハンカチが入っていると書かれていたのです。ルイ16世はあの「パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない」で有名なマリー・アントワネットの旦那さんで、フランス最後の王様です。問題のハンカチ自体は見つからなかったのですが、ひょうたんにも血が付いており、その血のDNA鑑定が行われ、歴史好きの人たちの注目を集めていました。結果、残念ながらルイ16世のものではないだろうという結果でした。

これまでにY染色体のSTRマーカーを調べたところ、ヨーロッパ系の人にみられる特徴が確認できました。さらにルイ16世から7世代まえのヘンリー(アンリ)4世(1553–1610)のミイラのSTRマーカーを調べたところ、一つのアレルを除いて一致しており、ルイ16世のものである可能性が示唆されていました。しかし、他のブルボン家の末裔たちのハプロタイプとは一致しておらず、はたしてこの血は本当にルイ16世のものなのかと議論されていました。

今回はゲノムDNA全体をシーケンスしてみたのです。サンプルの状態が悪く、他の生物のDNAが混ざったりしていたようですが、どうにか配列を読み取ることができました(全部の領域をカバーすることはできませんでしたが)。考古学的な文献によると、ルイ16世の祖先はヨーロッパのいろいろな地域の人のが混ざり合っているそうです。そこでまずはDNAのSNPsからひょうたんの血の人の出身地を割り出しました。すると北イタリア地方の人に近かったのですが、考古学的な文献では、ルイ16世の祖先はこの地方には見つかりません。さらに、DNAの特徴から予想される見た目とルイ16世の見た目の特徴を比較しました。ルイ16世は非常に背が高く、青い目をしていた言われています。しかし、DNAから予想される見た目は身長はそれほど高くなく、茶色い目をしているというものでした。したがって、これらの結果から、ひょうたんの中の血の人物はルイ16世ではないと結論付けられました。

歴史好きの人からすれば残念な結果でした。でもこういった研究はロマンがありますね。アインシュタインの脳とかもしっかりと残ってるし、シーケンスしてみたいものです。個人的には天皇陛下のゲノムシーケンスは面白いと思う。なにせ世界で最も家系がはっきりしている一族ですから(今上天皇が125代目らしい。すごい。)。ただそんなことをしようものなら右翼団体が黙ってないでしょう。ちなみに今上天皇明仁さまは、ハゼの分類学を専門とする科学者でもあり、秋篠宮文仁親王は鳥類やナマズの研究者でもあります。

元の論文
Genomic analysis of the blood attributed to Louis XVI (1754–1793), king of France
スポンサーサイト

テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。