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No.5 ミトコンドリアと寿命

今回の論文
Mitoflash frequency in early adulthood predicts lifespan in Caenorhabditis elegans
En-Zhi Shen, Chun-Qing Song, Yuan Lin, Wen-Hong Zhang, Pei-Fang Su, Wen-Yuan Liu, Pan Zhang, Jiejia Xu, Na Lin, Cheng Zhan, Xianhua Wang, Yu Shyr, Heping Cheng & Meng-Qiu Dong
Nature (2014)

簡単に言うと、
線虫の寿命ミトコンドリアを見れば分かるという内容。

背景として、
ミトコンドリアは細胞内でエネルギー合成をしている小器官。結構昔(1972年)からミトコンドリアが生き物の時計みたいなもので、寿命を決定しているのでは?という意見があったが、証明できていなかった。最近、ミトコンドリアはミトフラッシュ(mitoflashと書く。正しい日本語訳がないのでそのままにします)という現象を示すことがわかった。ミトフラッシュはスーパーオキシド(活性酸素の一種)が大量に作られる現象で、いつ起こるかは確率的である。ただし、酸化ストレスや代謝物の変化があるとその頻度が高くなる。今回、このミトフラッシュと寿命の関係を比較してみると、生後3日(線虫は9日位から死に始める)の段階でのミトフラッシュの頻度から寿命が予測できることが分かったという発見。
ミトコンドリアの像
ミトコンドリアの像(wikipwdiaより)

具体的には、
まずミトフラッシュは咽頭部の筋肉で最も活発で、哺乳類で見られるミトフラッシュと同様の現象が見られた。つぎにミトフラッシュと年齢という観点から見ると、生後2-3日(産卵期)と8.5-9.5日(死に始める時)でミトフラッシュの頻度のピークが見られた。寿命が通常よりも長い、あるいは短い遺伝子変異を起こした線虫でミトフラッシュを見てみると、長寿命の線虫は最初のピークでの頻度が低く、少し遅れて出てくるのに対し、短命な線虫では最初のピークが強く、やや早い段階で見られた。
次に寿命に関与する他の因子でもミトフラッシュのピークに変化が出るか調べた。すると、3日目のミトフラッシュの頻度と寿命の関係を回帰モデルで説明でき、負の相関関係があることが判明し、様々な要因があっても3日目のミトフラッシュの頻度で寿命を予測できることが判明した。
ここまでは、たくさんの線虫をまとめて観察していたが、次は一個ずつ調べたみた。やはり、負の相関があることが判明。
最後に長寿命の線虫の寿命が長くなった理由として、その線虫はでミトコンドリアがミーパーオキシドを作りにくくなるからだと結論付けた。したがってミトコンドリアが寿命を決定している。

個人的には、
人生の中で環境が大きく変化し、事故や病気のリスクがあるため、この結果をそのまま人につなげるのは前回同様難しい。でも人でもミトフラッシュがあるそうなので関係性は気になる。なぜミトコンドリアで寿命が分かるのかそのメカニズムは不明。最後のところで、ミトコンドリアが寿命を決定してると結論付けたが、そう言い切るにはもう少し、データが必要だろう。ミトフラッシュのタイミング等をコントロールできたら寿命が変わるという可能性は十分ある。一生涯に活動できるミトコンドリアの活動量が決まっているとかかな?一生涯のうちに心臓が打てる脈の数はどの動物でも一定という話に近い気がする。一定に仮にミトコンドリアが寿命を測る時計として機能しているとして、次の世代にはどうやって巻き戻されるのだろう?ES細胞とかには巻き戻す機構があるのだろうか。
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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