スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

サルの研究が示す再生医療の実現性と問題点

今年度、日本国内でヒトでiPS細胞による再生医療を実施するということもあり、この分野に非常に注目が集まっています。iPS細胞による再生医療を実施するにあたって問題になるのはガン化と免疫系の拒絶反応です。以前からマウスの実験でガン化や拒絶反応が見られたと主張する人と見られなかったと主張する人がおり、議論がされていました。

今回、生理学的によりヒトに近いアカゲザルを用いてiPS細胞を誘導し、元の個体に移植するという実験が行われました。結果を簡単に言うと、未分化なiPS細胞をそのまま移植するとテラトーマ(腫瘍の一種。通常の腫瘍と異なり、様々な細胞腫の腫瘍が混ざっていて、分化万能性を持っていることを示している)を形成しました。サルのような大型動物でテラトーマを形成させたのは初めてだそうです。しかし、この時に炎症反応を伴いました。一方で、iPS細胞からmesodermal stromal cell(中胚葉の幹細胞)を誘導してから移植すると、テラトーマのような腫瘍を形成することなく骨を形成しました。分化誘導させた場合はテラトーマの時のような強い炎症反応もなかったようです(ただし、筆者は拒絶反応がおきる可能性を完全に否定できなく、一般化できないことからあまり強く主張していない)。

今回の実験からわかった重要なポイントは分化した細胞であれば、腫瘍を形成したり、拒絶反応は起きにくいこと。ただし、実際に再生医療を行う場合、分化した細胞と未分化な細胞が混ざっている状態から未分化なiPS細胞を全て取り除かなければならない。この方法が確立しなければならないが、今のところないというのが問題点。ヒトでの初のiPS細胞による再生医療実験は目で行われ、免疫系の拒絶反応は起きにくいところではありますが、拒絶反応はさほど心配しなくてよいと思います。ただ、今後の再生医療の進展を占う重要な実験になるので、万全を期する必要はあります。

元の論文
Path to the Clinic: Assessment of iPSC-Based Cell Therapies In Vivo in a Nonhuman Primate Model
スポンサーサイト

テーマ:雑学・情報 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。