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新たなマラリアワクチンが開発された

情報元
New Malaria Vaccine Shows Promise in Mice

マラリアは熱帯地域を中心に蔓延しているPlasmodiumという原虫によって引き起こされる感染症で、蚊が媒介しています。このマラリアの原虫が体内に入るとまず肝臓に行き、そこで増殖します。その後赤血球に感染し、そこで再度増殖し、最終的に赤血球から出てきて血液中に出てきます。こうしてまた別の蚊に入り込んで他の人に広めていきます。これまでもすでにマラリアのワクチンはいくつか開発されており、グラクソスミスクラインのRTS,Sはマラリア原虫が赤血球に感染するのを防いでおり、重篤な症状を示す人が半分になるなど、効果をあげています。

不思議なことに、マラリアが蔓延している地域で、ほとんど症状がでず、血液内のマラリア原虫が少ない人たちがいます。今回はそんな人たちだけが持つ抗体を調べていきました。その結果、重篤な症状を示す人たちは持っておらず、症状を示さない人たちは持っている抗体が3種類ほどありました。一つは赤血球への感染にかかわるタンパク質をターゲットとしたもので、現在もワクチンのターゲットとして開発が進んでいるものでした。もう一つがPf SEA1というタンパク質に対する抗体でした。このタンパク質の機能はこれまで不明でしたが、どうやらマラリアが赤血球内で増殖し、血流に飛び出すのに必要なタンパク質であることがわかりました。そこでPf SEA1に対する抗体を作製してみたところ、in vitroでマラリアが赤血球から飛び出すのを阻害できることを確認できました。ワクチンを作り、マウスのin vivoでの効果を確かめたところ,コントロールに比べ、マラリアに感染させても約2倍長生きできました。

今回の結果は意外なものでした。感染するときは十数秒程度で完了するのに対し、PfSEA1を提示し、赤血球から飛び出すまでの時間は数時間あるため、良い効果が得られたのかもしれないとのこと。原虫による病気は非常にたくさんあるので、今回のように感染する時ではなく発症するのを防ぐというアプローチも有効なのかもしれません。ありがたいことにPf SEA1の遺伝子の配列の多型(個体による配列の違い)は少なく、効果を示す人が多い可能性が高いです。

元の論文
Antibodies to PfSEA-1 block parasite egress from RBCs and protect against malaria infection
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