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硬化症治療薬でトラウマ治療

フィンゴリモドという多発性硬化症の治療のために経口投与できる薬があります。この薬は免疫抑制効果があることが知られていますが、神経にはどんな影響があるのか調べたところ、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害し、トラウマを消すのを促進する作用がありました。以前、ヒストン脱アセチル化阻害剤がトラウマ治療に役立つという記事を紹介しましたが、フィンゴリモドにも同様の作用がありそうです。

培養細胞にフィンゴリモドを投与すると、細胞核内でSphK2という酵素でリン酸化することが確認できました。さらに調べていくと、細胞内でアセチル化レベルが高くなっていました。アセチル化を促進しているのか、脱アセチル化を阻害しているのかを調べてみると脱アセチル化(特にclass I)酵素が阻害されていました。ちなみにリン酸化されていないと阻害作用はありません。マウスに投与してみると、脳の関門を通り抜けて蓄積します。海馬などの記憶に重要な領域でもヒストン脱アセチル化酵素を阻害し、学習や記憶に関連する遺伝子の発現が変化していました。それも免疫抑制のためとは別の経路をたどりつつ、トラウマをより早く打ち消していました。SphK2をノックアウトするとアセチル化レベルが低く、フィンゴリモドを与えてもトラウマが早く打ち消せなくなっていました。

フィンゴリモドはすでに承認を受けた薬で、人での実験はしてませんが、すぐにでもPTSD治療に使えるかもしれません。フィンゴリモドを作っている会社は一度で二度おいしいと喜んでいることでしょう。

元の論文
Active, phosphorylated fingolimod inhibits histone deacetylases and facilitates fear extinction memory
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