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栄養不足で育つと腸内細菌が育たない

情報元
Malnutrition in children mars gut microbiome

今日はこれまでも何度か取り上げているマイクロバイオームの話です。ヒトの体にはたくさんのバクテリアが住んでいて、特に腸内にいるバクテリアは人の免疫機構を支える重要な役割を担っていて、主に生後2年以内に形成されます。今回、幼少期の栄養状態によって腸内のバクテリアの構成が変わり、後で栄養状態を変えてもバクテリアの構成は変わらないということが報告されました。

今回の実験はバングラディッシュのスラム街に住む子供たちの排便に住むバクテリアを調べていきました。最初に健康な2歳未満の腸内細菌の構成を調べていくと、成長と共に変化していくバクテリアが24種類いました。ところが栄養状態の悪く、重度急性栄養障害になってしまった(severe acute malnutrition。日本語訳が不明なので、ここでは重度急性栄養障害としました)子供たちの腸内細菌を調べていくと、この24種類のバクテリアが成長しても変化せず、腸内環境が成熟していないことがわかりました。栄養状態が悪いほど、成熟しない傾向も見られました。次に、重度急性栄養障害の子供に対して治療として行われるような、栄養価の高い食事を一定期間与えるということをしました。この治療期間終了後、2ヵ月後に一時的にこの24種の腸内は成熟していくものの、4ヶ月以降はまた元の状態に戻っていってしまいました。

今回見つかった24種のバクテリアが健康を支えているのか、ただの目安にしかならないのかは不明です。健康な人は下痢などで一時的に腸内細菌の構成が変わっても一ヶ月もすれば元通りになることを考えると、生まれて2年間で決まった腸内環境は基本的には変えるのは難しいのでしょう。生まれつき体が弱いという人は腸内環境が良くないのかもしれません。いずれにせよ、腸内細菌を長期間に渡ってコントロールできる手法が現在ないため、重度急性栄養障害のためにも手法の開発が今後望まれます。

元の論文
Persistent gut microbiota immaturity in malnourished Bangladeshi children
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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