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記憶のメカニズムが証明された

人間誰しも忘れたい記憶や忘れたくない記憶があるものです。記憶は昔から脳のシナプス間のつながりが強くなることで作られるといわれてきました。シナプス間のつながりは長期増強(シナプス間の伝達効率が高くなること)と長期抑制(シナプス間の伝達効率が低くなること)などの細胞メカニズムを通して行われていますが、それによって記憶が形成されるという直接的な証明はされていませんでした。今回、記憶がニューロン間のつながりであることが証明されました。

今回の実験では光遺伝学と呼ばれる、比較的新しい技術を用いています。光遺伝学とは藻類に存在する、光を感じ取り、イオンチャネルを開くタンパク質を脳の細胞に作らせるのです。すると、光を浴びた細胞はイオンの出入りがおき、活性化したり、不活性化したりするのです。活性化するか不活性化するかは使うタンパク質で変えられ、それぞれ反応する光の波長が違うので、当てる光の波長しだいで思いのままにニューロンを操れます。まず、古典的な条件づけでラットに特定の音と共に電気ショックを与え、音だけでも恐怖を感じるように学習させます。その後、音とともに光で長期抑制をさせると、学習したことを忘れてしまい、音に反応しなくなり、記憶が消えることが確認できました。その後、別の波長の光で長期強化をさせると、再度恐怖を思い出し、音だけでも反応することが確認できました。

今回の実験は昔からあったモデルを証明したもので真新しさはないかもしれませんが、記憶という現象を考える上で重要な研究ではないかと思います。学習能力に問題がある人の治療やトラウマ治療に役立つだろうし、個人的には興味深い現象なので、今後の研究の発展を見守りたいと思います。

元の論文
Engineering a memory with LTD and LTP
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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